2020年12月5日(日本時間6日)、F1第16戦サヒールGPの予選がバーレーン・インターナショナル・サーキット(サヒール・サーキット)で行われ、メルセデスAMGのバルテリ・ボッタスがポールポジションを獲得。ハミルトンのマシンに乗るジョージ・ラッセルが2番手に入った。ホンダ勢はレッドブル・ホンダがマックス・フェルスタッペンが3番手、アルファタウリ・ホンダのダニール・クビアトが6番手、ピエール・ガスリーが9番手。アレクサンダー・アルボンはQ2の最後のアタックで大きくタイムロス、12番手にとどまった。

Q3は0.823秒に10台がひしめく激戦に

ルイス・ハミルトンの欠場で予選がどのような展開になるのか注目されたが、代役出場となったラッセルがフリー走行から好調で、予選でもあわやポールポジション獲得かという快走を見せた。

それでも、先輩格のボッタスが最後に意地のポールポジションをゲット、メルセデスAMGがフロントロウを独占した。しかもメルセデス勢の2台のみがミディアムタイヤでQ2をクリア、決勝レースを戦略的に有利なタイヤコンパウンドでスタートすることになった。

画像: 注目のジョージ・ラッセル(メルセデスAMG)が2番グリッドを獲得。速さを見せつけた。

注目のジョージ・ラッセル(メルセデスAMG)が2番グリッドを獲得。速さを見せつけた。

ポールを狙っていたフェルスタッペンはQ3最初のアタックでトップに立ったものの、最終アタックで逆転されて3番手にとどまった。

アルファタウリ・ホンダも好調で決勝レースを想定した仕様で、クビアトが6番グリッド、ピエール・ガスリーが9番グリッドを獲得。決勝レースをいい形で迎えることになる。

一方、レッドブル・ホンダのアレクサンダー・アルボンはQ2の最後のアタックで失敗して12番手にとどまったが、タイヤ戦略的には有利なポジションからスタートするだけに、まだまだ逆転の可能性を残した。

ホンダの田辺豊治F1テクニカルディレクターは、決勝レースに向けて「予選は非常に僅差となった戦いの中でレッドブルのフェルスタッペン選手がポールに0.05秒差の3番手と、残念ではありますがまずまずの結果になりました。アルファタウリの2台もクビアト選手が6番手、金曜土曜と速さを見せていたガスリー選手もマシンにダメージを負いながら9番手と、レースに向けていいポジションを獲得できました。非常に接近したタイム争いの中で、アルボン選手は残念ながらQ3進出を逃しましたが、スタートタイヤを選択できる12番手からのスタートですので、できる限りのポイントを獲得してほしいと思っています。決勝レースは87周と多くのラップを重ねるため、いつもとは少し異なるレースになるのではと思っています。レース中に発生する状況変化に対して、迅速に対応していけるよう、さらなる準備を進めていきます」とコメント。ドライバーは次のように語っている。

マックス・フェルスタッペン

画像: ポールポジションと0.056秒差の3番手となったマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)。2番手とはわずか0.03秒差だった。

ポールポジションと0.056秒差の3番手となったマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)。2番手とはわずか0.03秒差だった。

「僅差でしたが、近づいただけでは十分とは言えません。常にもっといい結果をと思ってしまいますが、このコースで3番手というのは、なかなかいい結果だと考えています。差はかなり小さかったので、わずかの差で(ポールポジションを)逃したのは少し残念でもあります。こうした短いサーキットでは常に僅差の戦いとなるものですが、全力を出すことができました。レースでもメルセデスのマシンが2台とも速いはずですし、ジョージ(ラッセル)はいいドライバーなので、2台を相手に勝利に挑みます。彼らとは異なるタイヤでスタートするので、それがどんな影響を与えるのか面白くなりそうです。また、スタートがとても重要になります。以前も言ったように、僕らに失うものはないわけですから、少し楽しみながら全力でレースに臨み、どのような結果になるのか見てみたいと思います。いい戦いができることを楽しみにしています」

アレクサンダー・アルボン

画像: Q2の最終アタックで失敗してQ3に進めなかったアレクサンダー・アルボン(レッドブル・ホンダ)は予選12番手。トップ10との差は約0.08秒だった。

Q2の最終アタックで失敗してQ3に進めなかったアレクサンダー・アルボン(レッドブル・ホンダ)は予選12番手。トップ10との差は約0.08秒だった。

「フリー走行ではマシンに満足していていい結果が出せそうだと感じていただけに、予選のパフォーマンスには驚きましたし、12番手という結果にはフラストレーションが溜まります。何がよくなかったのかを理解しなければなりません。朝のフリー走行では、予選に向けてソフトタイヤを温存し、ミディアムタイヤで走るようにしましたが、マシンの感触が予選ではかなり違っていたので、これがいけなかったのかもしれません。レースはずっとタフな戦いになると思いますが、ここはオーバーテイクのできるコースですし、ほかのマシンよりもややダウンフォースを多くして走っているので、それがタイヤマネジメントにいい影響を及ぼせばと思います。金曜の走行で、僕らのレースペースはなかなかよさそうでしたし、スタートタイヤも選択可能なので、これから時間をかけて検討して、何ができるかを見ていきます。スタートでトラブルに巻き込まれないようにして、追い上げを図ります」

ピエール・ガスリー

画像: ピエール・ガスリー(アルファタウリ・ホンダ)はマシンにダメージを負いながらも9番グリッドを獲得。

ピエール・ガスリー(アルファタウリ・ホンダ)はマシンにダメージを負いながらも9番グリッドを獲得。

「難しい予選になりました。Q1でフロアにダメージを負ってしまい、そこからはうまくまとまらないセッションになりました。何とかQ3には進出したものの、フロントのコントロールに苦しみ、あらゆるところでアンダーステアになってしまいました。フリー走行でのパフォーマンスがよかっただけに、予選9番手という結果は残念に思っています。週末を通していいペースを見せていたものの、ダメージの状況を考えると、あれ以上できることはなかったと考えています。全体としては競争力のあるパッケージだと思うので、レースでもマシンを傷めやすいこのサーキットで、これ以上ダメージを負わないことを願っています。その点を除けばいいレースができる自信があります」

ダニール・クビアト

画像: 最終アタックで大きくタイムを伸ばし6番手に飛び込んだダニール・クビアト(アルファタウリ・ホンダ)。

最終アタックで大きくタイムを伸ばし6番手に飛び込んだダニール・クビアト(アルファタウリ・ホンダ)。

「素晴らしいセッションができたので満足しています。僕にとって今季最高の予選でした。予選開始時はトラフィックが激しく、難しい部分がありましたが、Q3ではクリアな周回をすることができました。結果として、いいポジションからレースをスタートすることができます。今朝は少し感触が悪かったものの、セッティングを戻してからはいい予選を戦うことができました。日曜日も確実なレースをしたいですし、そのためにはトラフィックとタイヤマネジメントにうまく対応していかなくてはいけません。レースペースはよさそうなので、この勢いを継続できればと思います」

画像: ダニール・クビアト

タイヤを供給するピレリは「予選セッションはコースが短いためマシンが接近して、ギャップを見つけることが非常に重要でした。決勝レースもエキサイティングなレースになることでしょう。タイヤへの要求は前戦バーレーンGPよりも少し低くなりますが、粗い路面のため摩耗は比較的高いようです。決勝レースの最良の戦略は2ストップ、ミディアムーミディアムーハード、あるいはソフトーハードーハードであると思われます。その順番はレースの状況で変わりますが、タイヤの劣化や夜間の路面温度の低下に応じて判断することになります。フロントロウのふたりはミディアムタイヤからスタートするため、多くのオプションがあります」と分析している。

第16戦サヒールGP決勝は日本時間12月7日深夜2時10分(現地6日20時10分)に開始される。

2020年F1第16戦サヒールGP 予選結果

PP 77 V.ボッタス(メルセデスAMG)53.377
2位 63 G.ラッセル(メルセデスAMG) 53.403
3位 33 M.フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ) 53.433
4位 16 C.ルクレール(フェラーリ) 53.613
5位 11 S.ペレス (レーシングポイント・メルセデス) 53.790
6位 26 D.クビアト(アルファタウリ・ホンダ)53.906
7位 3 D.リカルド(ルノー) 53.957
8位 55 C.サインツ(マクラーレン・ルノー)54.010
9位 10 P.ガスリー (アルファタウリ・ホンダ)54.154
10位 18 L.ストロール (レーシングポイント・メルセデス) 54.200
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12位 23 A.アルボン (レッドブル・ホンダ)

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