最大出力500kW(680hp)のハイブリッドシステムを搭載
ポルシェは、ACO/WECとIMSAが新しいハイブリッドプロトタイプカークラスの導入を発表した時から参加を検討していたが、いよいよ正式に新たなレギュレーションに基づいたレーシングカーの開発を進めることになった。
ポルシェAG取締役会のオリバー・ブルーメ 会長は「LMDhカテゴリーはル・マンやデイトナ、セブリングにおいて膨大なコストを掛けることなくハイブリッドシステムで総合優勝を争うことができる、ポルシェにとって魅力的なプロジェクトです。耐久レースは我々のブランドにとってDNAの一部です」とコメントしている。
新しいLMDhカテゴリーはアップグレードしたLMP2クラスシャシーの採用やコントロールユニットを含むハイブリッドシステムのスペックをレギュレーションで統一するなど、コストの効率化を進めており、シャシは4つのマニュファクチュアラーによって供給され、エンジンコンセプトとボディデザインはレギュレーション内であれば参戦するメーカーが自由に選択することができる。
ポルシェAG研究開発部門のミヒャエル・シュタイナーは「ポルシェはフル電動システム、効率に優れたプラグインハイブリッド、そしてエモーショナルな内燃エンジンと3つのドライブトレイン戦略に取り組んでいます。これは市販車とモータースポーツにおいても同様です。環境に対する我々のコミットメントの一環として、フル電動コンセプトではFIAフォーミュラE、効率的かつエモーショナルな内燃エンジンではGTカテゴリーに参戦しいます。ここにLMDhクラスが加わることで2つのカテゴリーのギャップを埋めることができます。ポルシェが多くの市販車に採用しているパワフルなハイブリッドドライブによる戦いが繰り広げられるのです。合成燃料の使用が可能なレギュレーションはサステナビリティの観点からも魅力的です」と参戦理由を述べている。
新たに開発するレーシングカーは、重量約1000kgで、最大出力500kW(680hp)のハイブリッドシステムが搭載されることが発表されている。
WECは2021年シーズンより、ル・マン・ハイパーカー(LMH)規定をトップカテゴリーとして争われることが発表されており、すでにトヨタが参加を表明。プジョーも参戦を決定している。LMDhカテゴリーはハイパーカー規定に比べてコストが抑えられると言われており、アウディをはじめ複数のメーカーがこの規定を使っての参戦を計画している。