デザインとカラーリングでタフな走りを絶妙にアピール
まず目を引くのが「エラ」とも称される大きなセンターディスクだ。ここでしっかりと強度を確保している。センターを極力小さくして細身のスポークでスポーツ性を追求するのがO・Zの定番。ダカールはそれとは真逆のアプローチだが、ターゲットを絞って性能を追い求めた姿がここにある。
短めのスポークは10本。2×5のレイアウトは、オフロードでの衝撃を受け止めるのに適していると言われている。下からの力を真上でも受け止めるからだ。リム側にはアメリカンオフロード用ホイールのお約束、ビードロック風にピアスボルトが打ち込まれている。そのピアスボルトはリムを縁取る切削を回避した箇所に立体的に設えているだけに存在感が大きく、スポークの延長線上からオフセットさせることで動きを感じさせてくれている。マットブラックは、オフロードでのタフネスぶりの演出にひと役買うカラーだ。
ジムニーはハブの形状からセンターキャップの装着は不可。センター部を開けねばならない。そのためダカールは、ジムニー用とシエラ用をインセットを変えて専用に対応している。シエラと異なりジムニーは国内専用車だけに、まさに日本専用の特注品扱いだ。
ちなみに本来備わるスパルコのセンターキャップはアンダーバーの付いた「S」マーク。ジムニーもセンターにスズキの「S」ゆえ、キャップなしでもスパルコをイメージしてくれている、とも言えるだろう。
国内外の人気クロスオーバーなど対応ラインナップを鋭意拡大中
ダカールはジムニー用の16インチの他、17インチも用意する。ランドクルーザー プラドやハイラックス用に加え、アウディQ2&Q3やBMW X2やMINIクロスオーバーにも対応、さらにはホンダCR-VやトヨタRAV4用も揃えている。今後はサイズや適応車種の拡大も検討中と言うから、ダカールを履きたい向きには今後の展開に注目して欲しい。
O・Zでは2020年を「オフロードホイール元年」と位置付けている。今回のスパルコ ダカールをはじめ、本家O・Zのオールテレインシリーズでジープ系にも対応する「ラリーレイド」など、タフなホイールを今後、広く展開して行くと言う。実戦で得たノウハウが息づくオフロード用O・Zホイール。ラフロードで似合うのはもちろん、街中でも存在感をアピールしてくれる。愛車の4WDに履かせて、颯爽と街を駆け抜けてはいかがだろう。(文:河原良雄/写真:小平 寛)