CACAZAN ドライビンググローブ DDR-071R
ドライバーが、愛車から最も多くの情報を受けとめる部分はステアリングホイールだろう。ここから伝わる微妙な振動や復元力などのインフォメーションから、愛車の調子が分かる、というクルマ好きは少なくないはず。
また、愛車をコントロールするのに最も重要なクルマの部分のひとつも、ステアリングホイールだろう。もちろんアクセルやブレーキ、クラッチのペダル類なども重要だが、やはり「クルマを操る」という要素はステアリングホイールによるところが大きい。
愛車からの情報を的確に受けとめ、そして意のままに操りたいと思うのなら、ドライビンググローブを着用してステアリングホイールを握って欲しい。とはいえ、指先まで覆うレーシングタイプのようなグローブは大袈裟すぎるし、細かなスイッチ類の操作もやりにくい。雰囲気もカジュアルなハーフフィンガータイプが扱いやすいだろう。
ここで紹介するドライビンググローブのメーカー、「CACAZAN(カカザン)」は、大量生産や効率化を旨とするこの時代に、あえて非効率なスタイルを選び、徹底している手袋メーカーだ。香川県東部は明治時代から手袋産業が盛んで、東かがわ市は手袋生産日本一、全国シェア90%以上を誇っている。その隣、さぬき市にファクトリーを構えるCACAZANの出石尚仁氏は、コンセプトづくりから設計、そして縫製、出荷まで「一人で創る」ことを貫いている。しかも受注生産のため、オーダーから納品までは10日ほどを要する。
良いモノを末永く使って欲しいという想いを込めて、オリンピックに出場する選手のための一品モノも手がける百戦錬磨の職人が、その技を惜しみなく注ぎ込み、一双ずつ手袋を縫ってゆく。もちろん、そんなストーリーを知らずとも、CACAZANのグローブに手を通せば、掌や指が他のグローブとの違いを瞬時に理解するだろう。
レザーの中で掌や指が自由に動き、何の抵抗もなくあたかも皮膚の延長であるかのようにフィットする・・・。これがCACAZANグローブ、出石氏の生み出すグローブなのだ。長時間のドライビングでもスポーツドライビングでも、優れたグローブは運転する喜びを増幅させてくれる。
DDR-07シリーズは、使いやすくカジュアルなハーフフィンガーのドライビンググローブだ。中でもこの「DDR-071R」は、マニュアルシフトへの耐久性を向上させる専用補強アテを付けたモデル。CACAZANファンのインプレッションを基に創られた、出石氏の意欲作だ。
素材は、レザーのカシミアと言われるディアスキン(鹿革)。裏面には高級裏地であるキュプラ繊維の「旭化成ベンベルグ(※)」をラミネートしており、なめらかな着け心地を楽しめる。さらに、汗などで汚れたら、市販の皮革用洗剤で洗うこともできる。永く使える、グローブの逸品だ。鍛えぬかれた職人の手によって生まれるグローブの、類稀なフィット感をぜひ楽しんでもらいたい。
※旭化成ベンベルグ(キュプラ):吸湿性、静電気の放出性が高く、表面がなめらかで肌との摩擦が小さく、手にとても優しい素材。
■CACAZAN ブランド紹介
かつて日本の手袋のほとんどを生産していた手袋職人の街、香川県さぬき市大川町にCACAZANはある。手袋職人である出石氏が既成概念に囚われることなく、究極のグローブを求めて納得のゆくまで作りこみ、自ら縫い上げるのがCACAZANのグローブだ。冬季オリンピックで世界の頂点を目指す選手のためのグローブの依頼を受けるその技術は、我々が手にすることのできるドライビングやライディンググローブにも脈々と受け継がれている。
■CACAZAN ドライビンググローブ DDR-071R 仕様
●サイズ:SS、S、M、L、LL
●本体カラー:ブラック×レッド
●本体素材:ニュージーランド産鹿革(0.8mm厚)
●ライナー素材:高級裏地「旭化成ベンベルグ」
●価格:2万7500円(税込)