ヒュンダイ移籍2戦目で早くもWRカークラスに昇格
WRCチャンピオンのペター・ソルベルグを父に持つスウェーデンの新星、オリバー・ソルベルグは、2021年の今シーズン、ヒュンダイチームのジュニアドライバーとしてWRC2でフルシーズンを戦うことがアナウンスされていた。
1月に行われた開幕戦ラリー・モンテカルロでは、WRC2クラスのヒュンダイi20 R5で参戦。アクシデントに見舞われリタイアとなったが、最終日までクラス5位／総合10位につける素晴らしい走りを披露した。
そんなオリバーが急遽、第2戦アークティック・ラリー・フィンランドにヒュンダイi20のWRカーで参戦することになったのは、開幕戦ラリー・モンテカルロでの走り、スノーコンディションの走りが認めれてのことだろう。
WRC第2戦アークティック・ラリー・フィンランドは、両脇には高い雪壁ができ、低い気温により路面は凍結するためスタッドタイヤを装着する特殊なラリー。オリバーは1月に同じ場所で行われたフィンランド国内選手権のアークティック・ラップランド・ラリーで、ヒュンダイi20 R5で3位入賞を果たすなど、スノーラリーを得意としている。
オリバー・ソルベルグが駆るヒュンダイ i20クーペ WRC。父親譲りのダイナミックなドライビングスタイルが特徴。父はスバルでWRCチャンピオンに輝いたペター・ソルベルグ。
そのWRC第2戦アークティック・ラリー・フィンランドでは、序盤のSS1とSS2でタイムロスしたものの、いくつかのSSでは父親譲りの豪快なドライビングでトップタイムに迫る走りを見せた。結局、WRカーでのデビュー戦として上々の7位フィニッシュ。ヒュンダイは「ピレリタイヤとWRカーのスピードを経験させることが目的」としているが、オリバーの走りのデータはチームに大きな財産となったようで、今後もWRカーでのスポット参戦もあることだろう。
オリバー・ソルベルグはまだ19歳だが、ラリーの経験は豊富。新進気鋭の若手を育成するヒュンダイ・モータースポーツの一員として、父親譲りの才能を一気に開花させようとしている。
15歳でラリーデビュー、父親とともに同じラリーに参戦したこともあるオリバー。まだ19歳だが、経験は豊富。これからが楽しみだ。
オリバー・ソルベルグ（Oliver Solberg）。2001年9月23日生まれ、スウェーデン出身。2017年、15歳でラリーデビュー。2019年にフォルクスワーゲン ポロGTIでFIAバルティックラリー選手権とラトビアラリー選手権のタイトルを獲得して注目を集めた。またこの年、WRCウェールズ・ラリーGBにも参戦した。2021年はヒュンダイからWRC2クラスにフル参戦することになっているが、急遽、第2戦アークティック・ラリー・フィンランドではWRカークラスへのスポット参戦が実現した。父は2003年のWRCチャンピオン、ペター・ソルベルグ。
2021 WRC第2戦アークティック・ラリー・フィンランド
オリバー・ソルベルグ （ヒュンダイ i20クーペ WRC）SS成績
SS1：10位 ＋31.1s
SS2：4位 ＋14.8s
SS3：3位 ＋4.6s
SS4：6位 ＋5.0s
SS5：4位 ＋1.9s
SS6：5位 ＋11.4s
SS7：9位 ＋19.4s
SS8：5位 ＋18.7s
SS9：4位 ＋3.3s
SS10：9位 ＋16.5s
（タイムはSSトップタイムとの差）
2021 WRC第2戦アークティック・ラリー・フィンランド 結果
1位 O.タナック（ヒュンダイ i20クーペ WRC） 2h41m37.5s
2位 K.ロバンペラ（トヨタ ヤリス WRC） ＋17.5s
3位 T.ヌーヴィル（ヒュンダイ i20クーペ WRC）＋19.8s
4位 C.ブリーン（ヒュンダイ i20クーペ WRC）＋52.6s
5位 E.エバンス（トヨタ ヤリス WRC） ＋1m01.5s
6位 勝田貴元（トヨタ ヤリス WRC） ＋1m37.8s
7位 O.ソルベルグ （ヒュンダイ i20クーペ WRC）＋1m39.0s
8位 T.スニネン（フォード フィエスタ WRC）＋2m09.0s
9位 G.グリーンスミス（フォード フィエスタ WRC）＋3m39.4s
10位 E.ラッピ（フォルクスワーゲン ポロGTI R5） ＋6m07.0s
