2019年10月、カーメイトは現行ジムニー/ジムニーシエラ(JB64/JB74)専用設計の「ジムニー専用ドリンクホルダー(NZ588)」を発売した。するとそれがジムニーオーナーに大ウケし、今度はジムニー/ジムニーシエラの最上級グレードのインテリアをコーディネートしたハイエンドモデルの専用ドリンクホルダー「ジムニー専用ドリンクホルダー2(NZ810)」まで追加販売した。

「まるでジムニー純正」のようなドリンクホルダーが異例の販売台数を記録!

ジムニー用ドリンクホルダーが売れているという報を聞いて、「軽自動車とはいえ今どきドリンクホルダーがないクルマなんてあるの?」とも思ったが、もちろん現行ジムニー/ジムニーシエラにもドリンクホルダーは設置されている。

ただ純正の設置場所がセンターコンソールの後端に縦にふたつ並んでいる。そのためシートポジションを前側にセットした場合、ドリンクホルダーの位置がシートより後方になるので、手を後ろに伸ばして手探りでドリンクを探すことになる。慣れれば問題ないのだろうが、やはり使いづらい感は否めない。ならばエアコンの吹き出し口を利用した汎用ドリンクホルダーを使えばいいじゃないかという意見はごもっともだ。しかし、そこは汎用品、車種ごとに大きく異なるエアコンの吹き出し口形状にフィットさせるのはなかなか難しい。

そこに目をつけたカーメイトは、「もっと扱いやすい場所にドリンクホルダーを」というコンセプトのもと、ジムニーのダッシュボードやドアノブに設けられたダミーナットの奥にあるボルトを利用して固定するドリンクホルダーを開発した。そのボルトというのは、ダッシュボード前面にある左右のエアコン吹き出し口の下と左右のドアノブにある。

装着写真をみると、ぱっと見エアコンの吹き出し口を利用したドリンクホルダーに見えるが、実はまったく異なるのだ。ボルトと両面テープでガッチリ固定するので悪路を走行してもドリンクホルダーはまったくブレることはない。さすが専用品だ。

ジムニー/ジムニーシエラは登場してから3年近くが経過するが、いまだに納車までに1年を要するほどの大人気車種だ。それだけに専用ドリンクホルダーを開発しても販売個数は期待できる。その結果、2019年10月にこのドリンクホルダーを売り出したところ約1年間で、それまでジムニー/ジムニーシエラが売れた総販売台数の約3割にあたる数を販売したというのだ。これは車種専用ドリンクホルダーとしては異例の実績だという。

あまりにも好評な売れ行きのためカーメイトは、一部仕様を改良して最上級グレードのインテリアにマッチするカラーリングを施したハイエンドモデルのドリンクホルダーを2020年12月に追加販売した。なぜわざわざ売れてる商品なのに上級モデルを追加したのか? その理由はジムニー/ジムニーシエラのグレード比率をカーメイトが独自調査(2020年12月インターネット調べ)したところ、最上級グレードの販売比率が高いことが判明した。ジムニーXCで76%、ジムニーシエラのJCで86%と、全体の79%を上級グレードが占めていたという。

そしてこの上級グレードには「ブロンズメタリック エアコン サイドルーバーリング」というブロンズカラーのエアコンリングを標準装備する。そこでカーメイトはこれと同じカラーをドリンクホルダー上部に施すことで「まるで純正」のような質感を演出したのだ。さらに、先に販売していた従来モデルを使用していたオーナーから要望のあった「使用しないボルト穴の処理」に対して、穴を塞いで質感を高めるキャップを付属るなど、この商品にかける意気込みは相当なものなのだ。

画像: 写真左が最上級グレードのジムニー(XC)/ジムニーシエラ(JC)に合わせた専用デザインの「ジムニー専用 ドリンクホルダー2(NZ810)」。右は従来品の「ジムニー専用ドリンクホルダー(NZ588)」写真左が最上級グレードのジムニー(XC)/ジムニーシエラ(JC)に合わせた専用デザインの「ジムニー専用 ドリンクホルダー2(NZ810)」。右は従来品の「ジムニー専用ドリンクホルダー(NZ588)」

写真左が最上級グレードのジムニー(XC)/ジムニーシエラ(JC)に合わせた専用デザインの「ジムニー専用 ドリンクホルダー2(NZ810)」。右は従来品の「ジムニー専用ドリンクホルダー(NZ588)」写真左が最上級グレードのジムニー(XC)/ジムニーシエラ(JC)に合わせた専用デザインの「ジムニー専用 ドリンクホルダー2(NZ810)」。右は従来品の「ジムニー専用ドリンクホルダー(NZ588)」

ドリンクホルダーは標準装備されて当たり前の時代に、車種専用ドリンクホルダーを開発することも稀だが、ましてやバカ売れすることも稀だろう。これは軽自動車枠で作られたジムニー/ジムニーシエラのボディサイズと特殊な方向性、そして大人気という偶然が重なって起こった珍現象だろう。

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