2021年4月16日、 F1第2戦エミリア・ロマーニャGPがイタリア・ボローニャ近郊のイモラサーキット(エンツォ・エ・ディノ・フェラーリ・インターナショナル・サーキット)で開幕する。2020年はメルセデスが1-2フィニッシュを飾っているが、今年の戦いはどうなるのだろうか。

イモラサーキットはエキサイティングだが追い越しはトリッキー

イタリア・イモラサーキット(正式名称アウトードロモ・エンツォ・エ・ディーノ・フェラーリ)でのF1グランプリは、2006年までサンマリノGPとして開催された後、1国1グランプリが重視される中で途絶えていたが、2020年秋、新型コロナウイルス感染拡大を受けたカレンダー変更でエミリア ロマーニャGPとして復活。大きな人気を呼んだことから、2021年は時期を春に変更して開催されることになった。(秋にはイタリアGPがモンツァで開催される)

画像: イタリア・イモラサーキット(正式名称アウトードロモ・エンツォ・エ・ディーノ・フェラーリ)の全景。写真上方のホームストレートからは反時計回りに周回する。

イタリア・イモラサーキット(正式名称アウトードロモ・エンツォ・エ・ディーノ・フェラーリ)の全景。写真上方のホームストレートからは反時計回りに周回する。

画像: イモラサーキットのコース図。左コーナーが12、右コーナーが9つ。高速、中速、低速コーナーを組み合わせたエキサイティングなコースだが、コース幅は場所によっては狭く、追い越しは簡単ではない。それだけに予選が重要となりそうだ。
イモラサーキットのコース図。左コーナーが12、右コーナーが9つ。高速、中速、低速コーナーを組み合わせたエキサイティングなコースだが、コース幅は場所によっては狭く、追い越しは簡単ではない。それだけに予選が重要となりそうだ。

イモラサーキットはもともとイタリアらしい超高速コースだったが、1987年にネルソン・ピケ、1989年にゲルハルト・ベルガー、1992年にリカルド・パトレーゼがクラッシュ、そして1994年にはアイルトン・セナ、ローランド・ラッツェンバーガーの死亡事故が発生し、何度かコースを改修されている。

また、2007年にはコースおよび周辺施設が全面的に改修され、高速コーナーにはシケインが設けられるなど、それまでとは少し違うサーキットとなっている。タンブレロ、アクア・ミネラリ、バリアンテ・アルタ、バリアンテ・バッサなど有名なコーナーが数多くあるが、それらもかつてのものとは少し異なる。

現在のコースの全長は4909mで、高速レイアウトに低中速コーナーを加えたストップ&ゴーサーキットと言える。しかしアップダウンがあり、コース幅は場所によって狭く、追い越しはかなりトリッキーになった。また、コースは左コーナーが12、右コーナーが9つで、グランプリコースとしては珍しい反時計回りでもある。

2020年のエミリア ロマーニャGPで予選4番手と好走したピエール・ガスリー(アルファタウリ・ホンダ)は「トラックリミットに注意しなくてはなりませんが、とても素晴らしいサーキットです。予選で少ない燃料搭載量で走った時の感覚は、本当にエキサイティングで素晴らしかったです」と語っている。

なお2020年は試験的に2日間のフォーマットで行われたが(土曜日の午前中に90分のフリー走行が1回だけ行われ、同日の午後に予選が開始された)、2021年はほかのサーキットと同様、3日間のフォーマットで行われる。

ちなみに、昨年2020年は11月に第13戦として開催され、メルセデスのルイス・ハミルトンが優勝。2位にバルテリ・ボッタスが入り、メルセデスAMGがシーズン5回目の1-2フィニッシュを達成している。マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)はハミルトンに迫る2位走行中にタイヤバーストでリタイアした。ホンダ勢ではダニール・クビアト(アルファタウリ・ホンダ)の4位が最高だったが、予選トップ10に4台すべてが入るなどホンダ勢にとって相性のいいコースと言える。

画像: 昨年2020年エミリア・ロマーニャGPのスタートシーン。昨年はマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)がタイヤバーストでリタイア。メルセデスが1-2フィニッシュを飾った。

昨年2020年エミリア・ロマーニャGPのスタートシーン。昨年はマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)がタイヤバーストでリタイア。メルセデスが1-2フィニッシュを飾った。

画像: 昨年2020年エミリア・ロマーニャGPの各ドライバーのタイヤ戦略。想定よりもソフトタイヤが厳しく、セーフティカーが導入されたこともあって、早めのタイヤ交換に踏み切り2ストップ戦略をとるドライバーが多かった。

昨年2020年エミリア・ロマーニャGPの各ドライバーのタイヤ戦略。想定よりもソフトタイヤが厳しく、セーフティカーが導入されたこともあって、早めのタイヤ交換に踏み切り2ストップ戦略をとるドライバーが多かった。

【参考】2020年F1第13戦エミリア・ロマーニャGP 決勝 結果

優勝 44 L.ハミルトン(メルセデスAMG) 63周
2位 77 V.ボッタス(メルセデスAMG))+5.783s
3位 3 D.リカルド(ルノー)+14.320s
4位 26 D.クビアト(アルファタウリ・ホンダ) +15.141s
5位 16 C.ルクレール(フェラーリ) +19.111s
6位 11 S.ペレス (レーシングポイント・メルセデス)+19.652s
7位 55 C.サインツ(マクラーレン・ルノー)+20.230s
8位 4 L.ノリス(マクラーレン・ルノー)+21.131
9位 7 K.ライコネン(アルファロメオ・フェラーリ)+22.224s
10位 9 A.ジョビナッツィ(アルファロメオ・フェラーリ) +26.398
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15位 23 A.アルボン (レッドブル・ホンダ) +57.284s
リタイア 33 M.フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)
リタイア 10 P.ガスリー (アルファタウリ・ホンダ)

3月に行われた今シーズンの開幕戦バーレーンGPの予選では、レッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンが2位以下にコンマ4秒の大差をつけており、今回のエミリア・ロマーニャGPではレッドブル・ホンダ有利と予想されているが、さてどうなるだろう。

タイヤを供給するピレリは、エミリア・ロマーニャGP開催を前に「イモラサーキットはさまざまな種類のコーナーが組み合わされたチャレンジングなコースです。ただ、場所によってはコース幅が狭いため、追い越しが難しく、戦略が重要となります。昨年はセーフティカーの影響を受けて多くが2ストップとなりましたが、セーフティカーがなければ大多数のドライバーがワンストップ戦略を選択していたでしょう。ピットインのタイムロスが非常に大きいためです。また昨年が久しぶりのF1開催となり、さらに季節も大きく違うので、チームは十分なデータを持っているとは言えず、戦略の組み立ては難しいものになるでしょう」とコメントしている。

2021年第2戦エミリア・ロマーニャGPは、4月16日11時(日本時間18時)からのフリー走行1回目で開幕、予選は4月17日14時(日本時間21時)、決勝は4月18日15時(日本時間22時)に開始される。

2021年F1第2戦エミリア・ロマーニャGP タイムスケジュール

フリー走行1回目:4月16日11時〜12時(日本時間18時〜19時)
フリー走行2回目:4月16日14時30分〜15時30分(日本時間21時30分〜22時30分)
フリー走行3回目:4月17日11時〜12時(日本時間18時〜19時)
予選:4月17日14時〜15時(日本時間21時〜22時)
決勝:4月18日15時〜(日本時間22時〜)

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