2021年5月2日、2021年F1第3戦ポルトガルGPの決勝が行われ、開幕戦で素晴らしい走りを見せた角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)はペースが上がらず苦しんだが、それでも粘り強く走り抜き15位で完走。初走行のサーキットで貴重な経験を積んだ。チームメイトのピエール・ガスリーは終盤に挽回して10位入賞を果たしたが、前戦までの鋭い走りは見られなかった。アルファタウリ・ホンダになにがあったのか。

改善していかない独特の路面と風が強い難しいコンディション

予選で9位、14位につけたアルファタウリ・ホンダ勢は、好調だったここ2戦から一転、決勝レースでは苦しい展開となった。

角田裕毅は予選終了後に「タイヤが合わず、ソフトタイヤでは全くグリップがなくて、最終セクターに至るまでまるでハードタイヤで走っているかのような感覚でした。厳しい予選になりましたが、今夜エンジニアとデータを分析して、改善点を確認します」と語っていたように、なかなか改善していかない独特の路面と、風が強くてミスが出やすいコンディションに悩まされていた。

決勝スタートでは序盤に16番手にドロップした後、一時、ピットストップで最下位に落ちた後、ニキータ・マゼピン(ハース)をオーバーテイクしたものの、大きな見せ場もなくポイント圏外でチェッカーフラッグを受けた。

ただ、序盤で2回のトラックリミット違反の警告を受けたものの、そこからドライビングを修正してペースをアップ、最後まで粘り強く走り抜いて、マシンへの理解を深めながら完走し経験を積んだ点は次戦以降を見据えて評価される。

チームメイトのピエール・ガスリーは角田とは異なる戦略を選択。ソフトタイヤでスタートし、24周目にミディアムタイヤに交換。このタイヤでのロングスティントを行った。

ガスリーは序盤トップ10内をキープし、ミディアムタイヤに交換して一時はポイント圏外まで順位を落としたが、終盤に追い上げを見せて残り2周となったターン1でサインツをオーバーテイク。10位に順位を上げてポイント獲得を果たした。ガスリーもグリップ不足に悩まされるなど簡単なレースではなかったが、見事にポイントを獲得した。

ホンダの田辺豊治F1テクニカルディレクターは「アルファタウリ・ホンダのふたりにとっては過去2戦と比較して難しいレースになりましたが、そんな中でもガスリー選手が粘り強い走りで10位入賞を果たしてくました。角田選手にとっては厳しいレース週末になりましたが、タイヤに熱が入りにくくスリッピーなコンディションでの予選、レースを経験したことで、今後に向けて多くのことを学んでくれたのではないかと考えています。来週にはまたすぐにスペインでのレースがやってきます。限られた時間の中ではありますが、十分に準備をして臨みたいと思います」とコメントしている。

今回はグリップ不足に苦しんだアルファタウリ・ホンダ

角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)

「タフな一日で、レース序盤からグリップがなく、全くペースを発揮できませんでした。何が悪かったのかわからないのですが、今週末はずっとマシンバランスに苦しみました。ただ、みんな同じ条件で走っていたわけですから、データを分析して、何がうまくいかなかったのかを確認する必要があります。ここからしっかりと学んで、スペインに向かいます」

画像: タイヤの温まりが悪かったのか、グリップ不足に悩まされた。

タイヤの温まりが悪かったのか、グリップ不足に悩まされた。

ピエール・ガスリー(アルファタウリ・ホンダ)

「今日はとても難しいレースでした。望んでいたような展開にはなりませんでしたが、予想通りの結果だったというのも事実です。レースウイークを通じて苦戦し、予選でトップ10入りするのがやっとでしたから、ポイントを獲得できたのはポジティブなことです。レースの序盤はシャルル(ルクレール)についていくことができてよかったのですが、そこからは低速コーナーでグリップが得られなかったことで、全体的にペースが不足していました。ただ、最後にカルロス(サインツ)をパスして、チームへポイントをもたらせたのは大きかったです」

画像: 角田と同様、グリップ不足に悩まされていたガスリーは、なんとか10位でフィニッシュ。

角田と同様、グリップ不足に悩まされていたガスリーは、なんとか10位でフィニッシュ。

第4戦スペインGPは5月7日にバルセロナのカタルニア・サーキットで開幕、5月9日に決勝レースが行われる。

2021年F1第3戦ポルトガルGP決勝 結果

1位 44 L.ハミルトン(メルセデス)66周
2位 33 M.フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)+29.148s
3位 77V.ボッタス(メルセデス)+33.530s
4位 11 S.ペレス(レッドブル・ホンダ)+39.735s
5位 4 L.ノリス(マクラーレン・メルセデス)+51.369s
6位 16 C.ルクレール(フェラーリ)+55.781s
7位 31 E.オコン(アルピーヌ・ルノー)+63.749s
8位 14 F.アロンソ(アルピーヌ・ルノー)+64.808s
9位 3 D.リカルド(マクラーレン・メルセデス)+75.349s
10位 10 P.ガスリー (アルファタウリ・ホンダ)+76.463s
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15位 22 角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)+1周

2021年F1ドライバーズランキング(第3戦終了時)

1位 L.ハミルトン(メルセデス)69
2位 M.フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)61
3位 L.ノリス(マクラーレン・メルセデス)37
4位 V.ボッタス(メルセデス)32
5位 C.ルクレール(フェラーリ)28
6位 S.ペレス(レッドブル・ホンダ)22
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10位 P.ガスリー(アルファタウリ・ホンダ)7
13位 角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)2

2021年コンストラクターズランキング(第3戦終了時)

1位 メルセデス 101
2位 レッドブル・ホンダ 83
3位 マクラーレン・メルセデス 53
4位 フェラーリ 42
5位アルピーヌ・ルノー 13
6位 アルファタウリ・ホンダ 9

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