2021年5月20日、F1第5戦モナコGPのフリー走行1回目/2回目が行われ、アルファタウリ・ホンダの角田裕毅は1回目は9番手とまずまずのスタートを切ったが、2回目はリアタイヤをガードレールにヒット、ソフトタイヤを使用する前にセッションを終えて20番手にとどまった。

モナコGP初走行ながら、早い段階からペースを上げて走行

衝撃的なF1デビューを飾った角田裕毅だが、このところ小さなミス、マシントラブル、無線でのチーム批判ともとれる発言などがメディアで取り上げられ、プレッシャーが高まっている。そんな中で始まった、初めてのモナコGPは、午前と午後で明暗を分けることになった。

午前中1回目のフリー走行、モナコGP初走行となる角田裕毅は早い段階からペースを上げ、チームメイトのピエール・ガスリーに迫るラップを刻みながら39周を周回、多くの経験を積みながら順調に9番手につけた。

ところが、午後のセッションでは開始19分頃、プールサイドシケインの2つ目の外側ガードレールにリアホイールをヒット。大きなダメージはなかったように見えたが、サスペンションの修復に時間がかかるためわずか11周、ソフトタイヤでのタイムアタックができないまま角田の午後のセッションは終了となった。

その後路面コンディションがよくなるつれ、ライバルのラップタイムはみるみる向上して、結局、角田はこのセッション最下位20位となった。

そのタイムはともかく、予選と決勝と同じ時間に行われる午後のセッションを走れなかったことがどう響くか、心配される。

一方、チームメイトのガスリーは好調。午前のフリー走行1回目はソフトタイヤで一時首位に躍り出るなど常に上位をキープしながら4番手。午後の2回目ではアンダーステアに悩まされたものの、それでも7番手に入っている。

画像: 角田のチームメイト、ガスリーも好調。両セッションでトップ10に入った。アルファタウリ・ホンダのマシンの仕上がりは良さそうだ。

角田のチームメイト、ガスリーも好調。両セッションでトップ10に入った。アルファタウリ・ホンダのマシンの仕上がりは良さそうだ。

ホンダの田辺豊治F1テクニカルディレクターは、初日の角田の走りについて「角田選手は、フリー走行2回目途中でガードレールに接触し、若干マシンにダメージを受けました。その修復のために、残念ながらセッションを途中で切り上げることとなり、初走行となるモナコで、貴重なプラクティスの時間を失う結果となりました。金曜はモナコGP特有のスケジュールのために走行がありません。じっくりと今日の走りのデータを見直し、土曜日から挽回してほしいと思います。我々としても、モナコならではのこの時間を有効に使い、ここでは非常に重要となる土曜の予選と、その後のレースに向けて準備を進めていきます」とコメントしている。

トップ3に迫る速さを見せるアルファタウリ・ホンダ

角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)

「今日は残念ながら午後のセッションを早く切り上げなくてはなりませんでした。特にコーナーをハードに攻めたわけではないのですが、コーナーの出口でグリップを失い、ウォールに接触してしまいました。レースへの準備にどれだけ影響するか分かりませんが、走行時間を失うことは理想的ではありません。ただ、土曜に向けて2セットのソフトタイヤを持っているので、最悪の状況ではないと思っています。万全の準備を行い、きっちりとアタックを決めたいと思います」

画像: 初めてのモナコでも戸惑うことなく、早い段階からペースを上げた角田。

初めてのモナコでも戸惑うことなく、早い段階からペースを上げた角田。

ピエール・ガスリー(アルファタウリ・ホンダ)

「僕らにとってはとてもいい一日になりました。ペースは素晴らしかったですし、午前のセッションではここモナコでの力強いスタートを切りました。マシンに自信を感じていますし、ハードにプッシュすることができました。午後もトップ10に入れたので満足していますが、マシンの中では大変でした。金曜日は、チームと今日苦戦した部分を改善する時間に使えればと思いますが、全体的には満足しています。モナコは独特で、特に路面のグリップやかなりバンピーな面があるので、そうした中で僕らのパッケージがうまく機能するようにベストを尽くす必要があります。いいベースラインはありますが、こうした市街地コースで予選が重要なのは分かっていますから、そこに向けて改善を続けていければと思います」

画像: 安定してトップ10内で走行してみせたガスリー。マシンに自信を感じながら「さらに改善していく」と語る。

安定してトップ10内で走行してみせたガスリー。マシンに自信を感じながら「さらに改善していく」と語る。

モナコGP初日はフェラーリが絶好調で、メルセデス、レッドブル・ホンダ、フェラーリの「3強の様相」を呈してきているが、アルファタウリ・ホンダがどこまで対抗できるか興味深い。予選は5月22日日本時間22時(現地時間15時)、決勝は5月23日日本時間22時(現地時間15時)に開始される。

2021年F1第5戦モナコGP フリー走行1回目 結果

1位 11 S.ペレス(レッドブル・ホンダ)1:12.487
2位 55 C.サインツ(フェラーリ)1:12.606
3位 33 M.フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)1:12.648
4位 10 P.ガスリー(アルファタウリ・ホンダ)1:12.929
5位 44 L.ハミルトン(メルセデス)1:12.995
6位 77 V.ボッタス(メルセデス)1:13.131
7位 4 L.ノリス(マクラーレン・メルセデス)1:13.236
8位 5 S.ヴェッテル(アストンマーティン・メルセデス)1:13.732
9位 22 角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)1:13.746
10位 7 K.ライコネン(アルファロメオ・フェラーリ)1:14.081

2021年F1第5戦モナコGP フリー走行2回目 結果

1位 16 C.ルクレール(フェラーリ)1:11.684
2位 55 C.サインツ(フェラーリ)1:11.796
3位 44 L.ハミルトン(メルセデス)1:12.074
4位 33 M.フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)1:12.081
5位 77 V.ボッタス(メルセデス)1:12.107
6位 4 L.ノリス(マクラーレン・メルセデス)1:12.379
7位 10 P.ガスリー(アルファタウリ・ホンダ)1:12.498
8位 11 S.ペレス(レッドブル・ホンダ)1:12.708
9位 99 A.ジョビナッティ(アルファロメオ・フェラーリ)1:12.746
10位 5 S.ヴェッテル(アストンマーティン・メルセデス)1:12.982
・・・・・・・・・・
20位 22 角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)1:14.829

This article is a sponsored article by
''.