「バクーはモナコよりは少し簡単かもしれません」と強気発言の角田選手
開幕戦バーレーンGPで見事なオーバーテイクを何度も決めて9位を獲得、衝撃的なF1デビューを果たした角田裕毅だが、その後、エミリア・ロマーニャGPでは12位、ポルトガルGPでは15位、スペインGPではトラブルのためリタイアを喫し、モナコGPでは16位という結果にとどまっている。
モナコGPではどういう状況だったのだろうか。
「モナコでのレースに向けてのプランは、フリー走行でなるべく多くの周回を走ることでしたが、残念ながらフリー走行2回目ではウォールにヒットしてしまい、それが低調の要因になってしまいました。クラッシュによって自信を失くしたとは感じていませんでしたが、予選ではとくに高速コーナーなどでわずかな自信の差が非常に重要になるので、こうした市街地コースでは、壁にぶつかってはいけないという重要な教訓を得ました」
モナコGPは結果的に16位。上位進出はならず、厳しい状況だったのか。
「いえ、初めてのモナコはとても楽しくて、素晴らしい経験ができましたし、フリー走行2回目でのあの瞬間まではとても面白かったです。全体的には、5戦を終えてレースウイークの流れになじんできたと感じていて、驚くようなことも減り、コントロールできるようになってきたと思います。木曜日のメディア対応など、シーズン序盤には驚いていたようなことにも慣れてきました。そうしたことにエネルギーを割かれていましたが、今はすべてが快適になってきています」
エミリア・ロマーニャGPの予選でクラッシュ、モナコGPではフリー走行2回目にガードレールに接触。このあたりから、走りに変化が出てきたというような報道もあるが。
「たしかに技術的な面では、まだ課題があり、とくに現状はマシンセットアップにやや苦しんでいます。まだ5戦しか経験していないので、これが普通なのだと思っていますが、マシンについて多くを学んできているということが重要です。メンタル面も問題なくいい状態にありますし、正しい方向性に向かっています。プレッシャーはありますが、F1ドライバーとして過ごす時間をいつも楽しんでいますし、新たなコースに来ればいつも新しい課題と出会っています。モナコでは、ファンの皆さんの前で、ドライバーの名前を呼び声が聞こえるというのも新たな体験でしたし、とても熱狂的な感じがしました」
バクーの市街地サーキットを走るのは初めてのことになるが、このコースについての印象、攻略はどうなのだろうか。
「バクーは、僕にとっては引き続き初めての経験になりますが、同じ市街地サーキットなので、モナコで学んだことを活かさなければなりません。シミュレーターでコースを走行してきましたが、ほとんどのコーナーが90度で、しかもすべてのコーナーの速度域が同じくらいなので、面白そうです。ここも市街地コースですが、モナコに適応するよりは少し簡単かもしれません。できるだけたくさん周回をこなし、フリー走行と予選ではウォールに近づきすぎないように意識します。モナコでの経験を活かし、学んだことをすべてアゼルバイジャンで使っていきます」
一時は無線での発言からチームやエンジニアとの関係が心配されたこともあったが、それは解決しているのだろうか。
「まったく問題ありません。シーズン序盤から、チームがマシンを着実に進化させてくれていることをうれしく思っています。まだ結果に表れておらず、僕も学習過程にあることは事実です。なるべくエンジニアと話す時間を多く取り、より多くを学んで、シーズンを通じて成長できるようにしていきたいと思います」
さて角田裕毅はバクーでどんなレースを見せるのか。第6戦アゼルバイジャンGPは6月4日12時30分(日本時間17時30分)から始まるフリー走行で開幕する。
2021年F1第6戦アゼルバイジャンGP タイムスケジュール
フリー走行1回目:6月4日12時30分〜13時30分(日本時間17時30分〜18時30分)
フリー走行2回目:6月4日16時〜17時(日本時間21時〜22時)
フリー走行3回目:6月5日13時〜14時(日本時間18時〜19時)
予選:6月5日16時〜17時(日本時間21時〜22時)
決勝:6月6日16時〜(日本時間21時〜)