2021年6月25日、オーストリアのレッドブルリンクで行われる2連戦の緒戦、F1第8戦シュタイアマルクGPが開幕した。初日はフリー走行が2回行われ、レッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンは両セッションでトップタイムをマーク。レッドブル・ホンダのセルジオ・ペレスはフリー走行2回目9番手、アルファタウリ・ホンダの角田裕毅は2回目15番手。ピエール・ガスリーは2番手につけたフリー走行1回目終了後にパワーユニットにデータ異常が見つかったため、2回目には出走しなかった。

フェルスタッペンは安定した走行を重ねて予選の準備も順調に進める

ホンダのパワーユニット勢は序盤からペースを上げ、順調なスタートを切った。フリー走行1回目では、アルファタウリ・ホンダの角田裕毅が開始後19分時点で4番手タイムをマーク。一時はフェルスタッペン、アルファタウリ・ホンダのピエール・ガスリー、レッドブル・ホンダのセルジオ・ペレス、角田裕毅の順で、ホンダのパワーユニット勢がトップ4を独占した。

セッション序盤の一瞬のこととはいえ、ホンダのパワーユニットの好調ぶりをうかがわせせる出来事だった。その後、ペレスはソフトタイヤでのアタックラップのターン4でスピンを喫し、最終的にはトップ10圏外となったものの、フェルスタッペンがトップタイムをマークし、ガスリーが2番手、角田が5番手でフリー走行1回目を終了した。

しかし、セッション終了後に、ガスリーのパワーユニットのデータに異常が発覚。詳細な調査を行うため、そのパワーユニットの使用を中止。交換に時間がかかるため、残念ながらガスリーはフリー走行2回目の出走をやめた。

画像: セッション中にまとまった雨が降ることはなく、ドライタイヤで走ることができたが、天候は不安定で、土曜日、日曜日も雨の予報も出ている。

セッション中にまとまった雨が降ることはなく、ドライタイヤで走ることができたが、天候は不安定で、土曜日、日曜日も雨の予報も出ている。

午後のフリー走行2回目でも、フェルスタッペンは順調に走行を重ね、2番手に約0.3秒差をつけてトップでこのセッションを終了。ペレスはアタックラップでイエローフラッグが出たこともあり9番手。角田はチームメイトの分までデータを収集すべくマシンセットアップ作業に専念、雨粒の落ちる難しいコンディションの中で39周を走行して15番手となった。

画像: アルファタウリ・ホンダの角田裕毅。レッドブルリンクは走行経験のあるサーキットで、走り初めから好タイムをマークした。

アルファタウリ・ホンダの角田裕毅。レッドブルリンクは走行経験のあるサーキットで、走り初めから好タイムをマークした。

ホンダの田辺豊治F1テクニカルディレクターは「2つのチームともにそれぞれいいスタートが切れましたが、フリー走行1回目終了後にガスリー選手のパワーユニットのデータに異常が見られ、詳細に状態の確認を行うために、午後のフリー走行2回目に出走できませんでした。ガスリー選手は1回目では2番手タイムを記録しており、2回目でさらなるファインチューニングを進める予定だっただけに、ガスリー選手およびチームに大変申し訳なく、残念に思っています。チームとともに、土曜日朝のフリー走行で最終チェックを行い、予選にのぞみます」とコメント。各ドライバーは次のように語っている。

マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)

「全体的に、いい一日になりました。いつもの金曜と同様、まだ確認すべき点はいくつかあるものの、現状はマシンにとても満足しています。フリー走行2回目では、取り消しになったルイス(ハミルトン)のタイムのほうが速かったので、タイムシートと実際の力関係は少し異なるように見えますが、僕らと彼らの2チームがトップにつけていると考えています。土曜日は一日中天気が変わっていくようなのですが、再び僅差の戦いになると思います」

画像: フリー走行1回目1位、フリー走行2回目1位。順調に周回を重ねたフェルスタッペン。

フリー走行1回目1位、フリー走行2回目1位。順調に周回を重ねたフェルスタッペン。

セルジオ・ペレス(レッドブル・ホンダ)

「フリー走行2回目開始時の路面コンディションは難しかったのですが、徐々に改善していきました。マシンにまだポテンシャルがありますし、ここでは0.1〜0.2秒の違いが大きな差になるので、もう少し調整していく必要があります。僕はまだマシンのベストなセットアップについて学んでいる最中ですし、いつものように、正解を見つけるためにエンジニアと話す時間を取っていきます。僕らにはいいペースがあり、ロングランには強みがあると思います。予選は十分に戦えるはずですし、Q3でいいラップができればと思います」

画像: フリー走行1回目13位、フリー走行2回目9位。ペレスはタイムこそ出ていないが、走りは悪くない。

フリー走行1回目13位、フリー走行2回目9位。ペレスはタイムこそ出ていないが、走りは悪くない。

角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)

「満足のいく一日でした。フリー走行1回目ではショートランのペースがとてもいいことが確認できましたし、何度かいいラップタイムを出すことができました。しかし、フリー走行2回目でのロングランでは少しマシンバランスに苦戦したので、この後、その部分に取り組んでいく必要があります。予選で雨の可能性があることは分かっていますが、正直に言うとドライコンディションになったほうがいいと思っています。F1ではウエットの経験があまりないので、難しい戦いになると思います。もしドライになれば、一歩ずつ自信を深めていく必要があります」

画像: フリー走行1回目5位、フリー走行2回目15位。2回目はセットアップに専念した結果。

フリー走行1回目5位、フリー走行2回目15位。2回目はセットアップに専念した結果。

ピエール・ガスリー (アルファタウリ・ホンダ)

「午前のセッションでは、マシンのパフォーマンスもペースも力強く、すべてがうまくいき、いいレースウイークのスタートになりました。しかし残念ながら、チームがフリー走行1回目の後にパワーユニットのデータに異常を確認したために、万全を期して午後のフリー走行2回目をスキップしてパワーユニットの確認に時間をあてることに決めました。フリー走行2回目でトライしたかったことがあったので、走行できなかったのは残念ですが、僕にはどうすることもできない状況でしたし、今は明日の走りを楽しみにしています。角田選手は午後のセッションでは午前ほどに手ごたえがよくなかったようなので、その部分も含めて分析を行い、予選ですべてをまとめられればと思っています」

画像: フリー走行1回目2位、フリー走行2回目出走せず。2回目を走れなかったのは痛いが、ガスリーの1回目の走りは見事だった。

フリー走行1回目2位、フリー走行2回目出走せず。2回目を走れなかったのは痛いが、ガスリーの1回目の走りは見事だった。

タイヤを供給するピレリは「フリー走行2回目のスタート時には少し雨が降りましたが、セッション中にまとまった雨が降ることはなく、一日中ドライタイヤで走ることができました。午後の気温は約24度、路面温度は41度と適度に暖かい状態でした。雨のために正確に測定することは困難でしたが、コンパウンド間のギャップは小さく、ソフトとミディアムの間のパフォーマンスギャップは0.5秒、ミディアムとハードの間のギャップは0.3秒となっています。明日以降もこの不確実な天候は続くと予想され、それは戦略の観点から予測不可能な要素となる可能性があります」と分析している。

レッドブルリンクはコース全長が短く、また各マシンのタイム差が接近していることもあり、予選ではトラフィックをどうクリアするかも重要となる。なお初日、フリー走行2回目開始前に少し雨がぱらついたが、土曜日、日曜日も同様に不安定な天候の予報が出ている。F1第8戦シュタイアマルクGPの予選は6月26日日本時間22時(現地時間15時)、決勝は6月27日日本時間22時(現地時間15時)に開始される。

2021年F1第8戦シュタイアマルクGP タイムスケジュール

フリー走行3回目:6月26日12時〜13時(日本時間19時〜20時)
予選:6月26日15時〜16時(日本時間22時〜23時)
決勝:6月27日15時〜(日本時間22時〜)

2021年F1第8戦シュタイアマルクGP フリー走行1回目 結果

1位 33 M.フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)1:05.910
2位 10 P.ガスリー (アルファタウリ・ホンダ)1:06.166
3位 44 L.ハミルトン(メルセデス)1:06.332
4位 77 V.ボッタス(メルセデス)1:06.386
5位 22 角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)1:06.397
6位 14 F.アロンソ (アルピーヌ・ルノー)1:06.519
7位 31 E.オコン (アルピーヌ・ルノー)1:06.551
8位 18 L.ストロール(アストンマーティン・メルセデス)1:06.584
9位 99 A.ジョビナッティ(アルファロメオ・フェラーリ)1:06.614
10位 16 C.ルクレール(フェラーリ)1:06.629
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13位 11 S.ペレス(レッドブル・ホンダ)1:06.696

2021年F1第8戦シュタイアマルクGP フリー走行2回目 結果

1位 33 M.フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)1:05.412
2位 3 D.リカルド(マクラーレン・メルセデス)1:05.748
3位 31 E.オコン (アルピーヌ・ルノー)1:05.790
4位 44 L.ハミルトン(メルセデス)1:05.796
5位 14 F.アロンソ (アルピーヌ・ルノー)1:05.827
6位 5 S.ヴェッテル(アストンマーティン・メルセデス)1:05.934
7位 4 L.ノリス(マクラーレン・メルセデス)1:05.994
8位 18 L.ストロール(アストンマーティン・メルセデス)1:06.079
9位 11 S.ペレス(レッドブル・ホンダ)1:06.089
10位 99 A.ジョビナッティ(アルファロメオ・フェラーリ)1:06.145
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15位 22 角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)1:06.451
出走せず 10 P.ガスリー (アルファタウリ・ホンダ)

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