躍進のダンロップがフロントロウを獲得
5月後半に予定されたが延期となっていたスーパーGT第3戦が、8月21・22日の日程で開催された。鈴鹿サーキットでは観客を約2割ほどに抑え、レース関係者と観客とを完全に分離する厳戒態勢で、2021年4戦目となるシリーズ第3戦を迎えた。
予選で速さを見せたのがダンロップタイヤを装着したホンダ NSX勢だった。64号車Modulo NSX-GTが一日の長を見せQ1、Q2ともにトップタイムでポールポジションを奪取すると、16号車Red Bull MOTUL MUGEN NSX-GTがそれに続く2番グリッドを獲得。一方精彩を欠いたのはスープラ勢、サクセスウェイトも相まってなんと6台全車が予選Q2に進めず後方グリッドに沈むこととなった。
決勝レースがスタートするとこの2台のNSXが後続を引き離すが、5周目のシケインで64号車NSXがマシントラブルから激しくクラッシュ。すぐさまFCY(フルコースイエロー:80km/h以下での走行)が発令され、その後にSC(セーフティカー)導入、12周目にリスタートとなる。
ミシュランタイヤ勢、そしてGT-R勢の逆襲
レース周回数は52周、ルーティンのピットインが18周以降に行われ25周終了時にはすべてのGT500マシンがピット作業を終えていた。トップの16号車NSXとピットタイミングを合わせた3号車CRAFTSPORTS MOTUL GT-Rは、アウトラップで16号車NSXに追いつくと一気に抜き去り、3位からトップに。ペースの上がらない16号車NSXを、GT-R勢の3台(23号車MOTUL AUTECH/12号車カルソニックIMPUL/24号車リアライズコーポレーション ADVAN)が次々にパス。GT-Rが1-2-3-4という体制を構築する。
これによりレース後半はGT-R同士のポジション争いに。ミシュランタイヤ装着のトップ、3号車に対し、同じミシュランながらピットインを引っ張った23号車はタイヤの消耗で有利。徐々にその差を詰めやがて背後に迫ると41周目に23号車GT-Rが3号車GT-Rをパス。また最初にピットインした12号車GT-Rを、最後にピットインした24号車GT-Rが抜き3位へポジションを上げる。その後12号車GT-Rは順位を下げるが、トップ3のGT-Rはそのままチェッカーを受けた。
23号車MOTUL AUTECH GT-Rにとっては鈴鹿サーキットでのレースで3連勝を達成するとともに、日産 GT-R勢が2016年以来となる表彰台独占を果たした。また、ドライバースランキングでは4位入賞を果たした1号車STANLEY NSX-GTの山本尚貴がトップに立った。
スーパーGT第3戦 GT500クラス決勝結果
1位 23号車 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ)
2位 3号車 CRAFTSPORTS MOTUL GT-R(平手晃平/千代勝正)
3位 24号車 リアライズコーポレーション ADVAN GT-R(高星明誠/佐々木大樹)
4位 1号車 STANLEY NSX-GT(山本尚貴/牧野任祐)
5位 36号車 au TOM'S GR Supra(関口雄飛/坪井翔)
6位 12号車 カルソニック IMPUL GT-R(平峰一貴/松下信治)
7位 17号車 Astemo NSX-GT(塚越広大/ベルトラン・バゲット)
8位 38号車 ZENT CERUMO GR Supra(立川祐路/石浦宏明)
9位 16号車 Red Bull MOTUL MUGEN NSX-GT(笹原右京/大湯都史樹)
10位 37号車 KeePer TOM'S GR Supra(平川亮/阪口晴南)
11位 8号車 ARTA NSX-GT(野尻智紀/福住仁嶺)
12位 14号車 ENEOS X PRIME GR Supra(大嶋和也/山下健太)
13位 19号車 WedsSport ADVAN GR Supra(国本雄資/宮田莉朋)
14位 39号車 DENSO KOBELCO SARD GR Supra(ヘイキ・コバライネン/中山雄一)
R 64号車 Modulo NSX-GT(伊沢拓也/大津弘樹)
写真:井上雅行(モーターマガジン編集部)