クルマを下取りや買取に出す際に、思った以上に査定が低く、悔しい思いをした人や疑問を抱く人もいるのではないでしょうか。

クルマの査定には、売却時のクルマの状態(コンディション)や査定をとってもらった時期、そしてクルマの装備品やボディカラーが大きく影響します。これらの理由が絡み合って、減点方式で車の値段が決められるため値下がりが起きるという仕組みです。

では、できるだけ売却時に値下がりを防ぐには、乗り方や保管方法をどのようにすればいいのでしょうか?

この記事では、これらの値下がりする理由を深く掘りさげて解説するとともに、値下がりを防ぐ効果的な方法を解説します。

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クルマの査定で減点となる主な項目9つ

クルマが査定で減点されてしまう理由には様々ありますが、主には以下9つが大きな理由となります。

  • ①走行距離が長い or 極端に少ない
  • ②年式が古い(低年式車)
  • ③古いクルマ(モデルチェンジ前のクルマ)
  • ④修復歴がある
  • ⑤エンジンや快適機能に不具合がある
  • ⑥内外装にキズや汚れがある
  • ⑦不人気のグレード
  • ⑧不人気のボディカラー
  • ⑨売却する時期が悪い

①走行距離が長い or 極端に少ない

クルマの値下がりに、大きく関わる認識として広く知られているのがクルマの走行距離です。

走行距離が延びることで、消耗品の寿命が縮まったり、少しずつ痛みが蓄積されることが減点となる理由です。

1年1万キロが値落ちの目安

クルマ業界では、1年に1万kmが平均走行距離とするクルマの走行距離の目安を設けています。この1年1万kmより多く走行しているクルマは、平均より消耗しているとクルマ業界では判断し、クルマの値下げの目安としています。

年間走行距離が1,000kmに満たない場合も値落ちの可能性あり

逆に少なすぎる走行距離も減点対象となることも。

例えば、年間走行距離が1,000kmにも満たないような使用方法だと、逆にそのクルマを不審に思い値下げされることも多くあります。

これは、クルマはある程度走行していなければ、本来のコンディションを保つことができないからです。

クルマは機械ですから動かさなければ、エンジンやトランスミッション(エンジンの力を車輪に伝える装置)だけでなく、エアコンやその他装備品に不調が起きることは、クルマ業界では良く知られたこと。

このようにクルマの走行距離は、走行過多でも走行過少でも値下がりに大きく影響することになり、平均的な走行距離が車業界では安心した取引の材料の一つとなっています。

②年式が古い(低年式車)

年式が古くなると値下がりする理由は、車の経年劣化に加えて新型車より人気が劣ることが大きな理由です。

売却時期が遅れるほど値下がりは進んでいきやすい

車は買ったときが一番高値で、自分の名前に名義変更したときからクルマの価値は下がっていきます。これは、クルマ業界でも非常に重要視するところで、クルマは寿司ネタの鮮度に例えて生ものと表現するほどです。

なので、売却タイミングは、売却したいと思った時が売り時であるというのが、自動車業界の共通の意見。

少しでも高くクルマを売りたければ、売却を先送りにせず、できるだけ早く売却することが大切です。

経年劣化による部品の消耗は値下がりの理由に

クルマは多くの部品の集合体ですから、時間の経過とともに、使用の有無に関わらず経年劣化が進む商品です。特にクルマには樹脂製品やゴム製品が多く使用されており、これらの部品は、綺麗にクルマを保っていても、紫外線などの影響から劣化が進み、商品価値を落とすことになるでしょう。

③古いクルマ(モデルチェンジ前のクルマ)

同じ車種でも、モデルチェンジ前のクルマかどうかで査定額は大きく異なります。

これは、毎年新型モデルが発売されるiPhoneと同じで、古いモデルは新しいモデルよりも安く売られていることから分かる通り、マイナーチェンジや、フルモデルチェンジが行われると、中古車市場での人気が大きく下がることが理由です。

当然、中古車市場で人気が落ちれば、クルマの買取も高くできませんから値下がりが起きます。

同じ年式でも1年の中でマイナーチェンジなどの小改良が実施されていた場合、クルマの価値は大きく変わります。特に最近のクルマは、内外装にほとんど変更がなくても、快適装備品や、運転支援システムに変更が加えられることもあり、同じ年式でありながら値下がり率が異なります。

少しでも高く売りたければモデルチェンジ前が買い替え時

今のクルマを下取りや買取に出して少しでも新車購入費用に充てたければ、モデルチェンジ前に売るのが鉄則。

モデルチェンジが行われてからでは下取り・買取価格も大きく落ち込む可能性があるので、モデルチェンジ前に売ることを心がけてください。

④修復歴のあるクルマ

例えば事故を起こしてクルマを修理した場合、査定に大きく影響するのが「修復歴」です。

修復歴と似たような言葉に修理歴という言葉もありますが、査定への影響は大きく異なります。

修復歴とは、クルマの根幹部分の修理を行った際に付けられる歴のこと。つまり、クルマの骨格部分に損傷を受けたかどうかで決まります。

具体的には以下の部分に損傷を受けることで修復歴ありとなります。

画像: 画像引用:一般財団法人 日本自動車査定協会 東京都支所 www.jaai.com

画像引用:一般財団法人 日本自動車査定協会 東京都支所

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  • ①フレーム(サイドメンバー)
  • ②クロスメンバー
  • ③インサイドパネル
  • ④ピラー
  • ⑤ダッシュパネル
  • ⑥ルーフパネル
  • ⑦フロア
  • ⑧トランクフロア

修復歴があるクルマは数十万円のダウンは覚悟すべき

残念ながら、修復歴があるクルマを高く売ることは非常に難しいのが現実。数十万円単位のダウンは覚悟しておいたほうがいいでしょう。

なぜかと言えば、修復歴はクルマの根幹部分まで破損が及んでいたため、走行安全面での懸念がぬぐいきれないからです。

一方、これら以外の修理は全て「修理歴あり」で収まるため、「修復歴あり」より大きな査定ダウンにはなりません。

例えば、サイドミラーやボンネット、バンパーを修理したとしても修理歴で収まります。減額も数万円程度で済むことがほとんどです。

このように、修理歴と修復歴では査定では大きな違いとなることを覚えておきましょう。

エンジンやトランスミッションの状態も査定時に確認される

クルマは走らなくては意味がありませんから、エンジンや走行装置に不具合があると売却時の値下がりは大きくなります。

ユーザーが毎日使用する中で、少し我慢すれば短距離なら問題なく走行できる不具合もあります。しかし不具合は、他の部品に大きな影響を及ぼしていることもあるので、小さな不具合だから値下がりは少ないと思うのは間違いです。

エンジンと走行装置は、密接な関係があるので、どちらか一方に不具合が有っても、後に両方不具合が出ることもあります。特にエンジンでは、オイル漏れや冷却水の漏れは致命的な故障に繋がる恐れがあるため、症状によっては値下がりが激しいことも予想されます。

走行装置には、エンジンからの動力を伝えるトランスミッションや、路面の衝撃を緩和する足回りに分けられますが、どちらも相乗効果でエンジンの動力をタイヤに伝えて走行しています。不具合の出た場所によっては、走行不能に陥る可能性があることから、走行装置の不具合もかなりの値下がりが予想されます。

特にトランスミッションの不具合は、エンジンの力をタイヤに伝えることができなくなる恐れが高く、たとえ現在走行可能でも致命的な故障として値下がりは大きいでしょう。

このように、査定後にエンジンやトランスミッションに不調が出ると、買取査定をやり直すことになり、かなりの値下がりを覚悟しなければならないでしょう。

⑤エンジンやエアコン、カーナビなどの快適機能に不具合がある

エンジンやエアコン、カーナビなどの快適機能に不具合がある場合も減額査定の対象です。

エアコンの場合、冷えないことが大きな問題となり、故障の程度により値下がりしないこともありますが、エアコン構成部品に問題があると、部品の価格と工賃が高価なことから、大きく値を下げてしまいます。

ナビゲーションは、特にモニターの色やタッチパネルの操作性に問題が出ると、モニター交換が必要となることから、故障していないクルマに比べ値下がりします。

この他にも、車内の快適装備は車種により違いがありますが、それらすべてが問題なく使用できることが、売却時に有利な金額を引き出すポイントです。

これらが査定時に問題なくても、査定後に暫く自分で車を使用して故障してしまうと、クルマ引き渡し時に行われる車両のチェック時に指摘され、査定価格から値下げされることがあります。

クルマの不具合を隠して売ることは絶対にNG

これらの不具合は査定時に伝えなければバレないのではないかと考える人もいるかもしれませんが、プロの目はごまかせません。

たとえその場で隠し通せたとしても、後日別の査定員によるダブルチェックが行われるのが通常なので、ほぼ100%の可能性で不具合は発覚しますし、再査定の連絡が必ずきます。

もし知っていた不具合を隠して売却したとなると、悪質な場合は契約不適合責任(旧:瑕疵担保責任)を問われて減額されたり、損害賠償請求をされたりする可能性もあります。

不具合を隠して売ることは何一つ良いことはありませんので、正直に伝えるようにしてください。

⑥内外装にキズや汚れがある

外装や内装の状態も査定に関わるポイントのひとつ。

1cm以上の外装はキズや凹みの有無が査定項目に

具体的に減額対象となるのは、1cm以上のキズや凹みです。逆に言えば、1cm未満のキズや凹みは減額対象とはなりません。

これは「日本自動車査定協会」の基準でも定められています。

1cm未満の傷、凹みは無減点とする

内装は汚れやキズが査定項目に

クルマの内装としてアクセサリー小物を取り付けている人も多いと思いますが、取り付けに両面テープを使っている場合なら値段にそれほど影響は出ません。

一方、内装に穴を開けてビスなどで取り付けていた場合は、大きく減額されてしまいます

また、車内の一般的な汚れならそれほど問題ありませんが、油汚れなどのほか、食べ物などでシートにシミがある場合も価格の値下がりに大きく影響します。

また、トランクなどの荷室も注意が必要で、汚れものを査定後に積載しないことも値下がりを避けるには重要な要素となるでしょう。

査定後のキズには要注意!

注意しなければならないことは、クルマの査定後に内外装を損傷させてしまうこと。

車内で日常的に飲食を行う人も多いと思いますが、この飲食で大きな汚れを車内に作ると、売却後のクリーニング費用が高額となり、査定時より値下がりすることが多くあります。

クルマの査定時は、その時の状態でクルマの売却価格を算出していますので、その後にクルマの内外装にキズや汚れができれば当然再査定で減額されてしまうこともあります。

ただし、どの程度値下がりするかはキズの程度にもよるので、修理する場合は売却価格と修理費の差額を考えてから行ったほうが良いでしょう。

クルマの売却を決めて、査定に出した後も使用し続けることがあります。その場合に注意することは、車内に査定時とは違う汚れやキズを作らない事です。

⑦不人気のグレード

どんなクルマも、多くのグレードが設定されています。グレードは、クルマのグレードごとに人気が異なり、人気のあるグレードほど市場価値があるので値下がり率は低く、同じ車種なのに人気がないグレードは、大きく値下がりします

人気のグレードであれば純正オプションが値下がりの歯止めになることも

また、純正オプションを新車の時に多く装備していることもありますが、オプションパーツは人気のあるグレードに装着していれば、それなりに値下がりを抑えることも可能です。

不人気のグレードは純正オプションがついていても低く査定される可能性が高い

しかし低人気グレードでは、オプションを多く装備しても値下がりを食い止めることは難しいでしょう。というのも、人気のないグレードは標準装備に人気がないので、それをオプション装備で補う事は出来ないからです。そのため、値下がりを避けたいならオプションを装備しない人気グレードのほうが有利になるといえます。

⑧不人気のボディカラー

同じ車種で同じ年式でも、クルマのボディカラーによって人気が異なります。

値下がりしにくいのは白(ホワイト)や黒(ブラック)

特に人気のボディカラーは白系と黒系になり、この人気ボディカラーが他の色に比べると、値下がりしにくいといわれています。

人気のボディカラーが値下がりしにくい理由は、中古車市場での需要が高いことが大きな要因です。その反面、人気のないボディカラーは、中古車市場で人気がないので需要がないことから値下がりが激しいでしょう。

街で珍しいボディカラーを見かけた場合、そのボディカラーは中古車市場で人気が出ないことが多く、値下がり率がかなり高いといえます。

車種ごとに人気のカラーがある

しかし、人気の白系や黒系を凌ぐ人気のボディカラーもあります。

例えば、MAZDAではソウルレッドプレミアムメタリックが人気で、白系や黒系より値下がり率が低くなっているほか、最近の軽自動車はパステルカラーの人気が上昇しています。

このように、同じ年式の同じクルマであっても、ボディカラーによって値下がり率は大きく異なるという事です。

⑨売却する時期

売却時期も非常に重要で、同じ年式の同じ車でも売却時期により値下がり率が異なります。これは、購入する人が多い時期には値下がり率は小さく、購入する人が少ない時期になると、値下がり率が高くなるからです。

中古車が高くなるのは決算月の3月と中間決算の9月なので、この時期より2カ月程度前に売却のアクションを起こすとよいでしょう。なぜ2カ月前がいいかというと、クルマを買い取ってからすぐに販売する訳ではなく、クルマは店頭に並べるまでに点検整備や清掃などを行ってから並べることを考慮し、そのタイムラグとして2カ月程度の余裕を持ったほうが良いというわけです。

そして、この決算や中間決算の時期は、車買い替えにより買取や下取りが増えるので、供給過多となり値下がりが激しくなるので避けるべき期間です。

クルマにも需要と供給の関係がある

クルマも他の商品と同じく需要と供給のバランスがあります。

例えば野菜を例にすると、野菜が豊作の時は価格が安くなりますが、不作になれば高騰します。これと同じことがクルマにも当てはまります。

それは、人気のある車種は、常に供給量が不足するために売却時に値下がりが少ないですが、不人気車や不人気グレードなどは、需要に対して供給過多となり、売却時には値下がりが激しくなります

しかし、不人気車種でも供給がない場合、偶然不人気車種を欲しい人が現れると、売却は有利に働くことがあります。これはタイミングの問題なので非常に難しい事例ですが、不人気車種や不人気グレードだからと最初から諦める必要はないという事です。

クルマの査定額が0円だった場合に考えるべきこと

上記に挙げた減額要因が組み合わさると、査定が0円になるケースもあります。

ただし、諦めてはいけません。どんなクルマも買い取ってもらえるチャンスは必ずあります。

0円査定になった原因は様々考えられますが、その原因別に適する売却先を選ぶのが0円査定を脱却するコツ。

例えば、クルマを売却する方法はディーラー下取りだけでなく、中古車買取店に売る方法や、廃車専門買取点、事故車専門買取点に売る方法など様々あります。

特に廃車買取専門店や事故車買取専門店は、訳ありクルマを値段をつけて買い取ってくれる可能性があるので、一度相談してみることが大切です。

クルマのリセールバリューを保つ乗り方や保管方法は?

クルマの値下がりは、どうしても避けることができませんが、値下がり率を下げる方法があります。それは、クルマの乗り方や保管方法といった扱い方です。

①クルマをいつまでもきれいに保つこと

クルマの売却時に値下がりを防ぐには、いつまでもきれいに保つことが一つの方法です。きれいに保つことなど、屋根付き車庫で保管しなければ無理と嘆く方もいるでしょう。でも実際は、洗車をこまめに行う事でクルマをきれいに保つことが可能です。

最近は、ガラスコーティングなどの塗装を保護する商品が気軽に手に入りますから、そういった商品でクルマをメンテナンスしても良いでしょう。そして最も重要なことは、汚れたらそのままにせず、なるべく早くきれいにすることです。

汚れは、長く付着していると外装の塗装表面を蝕むこともあるほか、内装に至っても変色する可能性があります。そのため、汚れたらきれいにする習慣をつけることが大事です。

例えば、高級車がいつまでもきれいな状態を保つのは、コーティングを行っているからではありません。それは常に洗車をおこない、きれいにしているからです。実際に、高級外車で野外駐車のクルマも、頻繁に洗車とワックスがけを丁寧に行う事で、非常にきれいな状態を保っている事例が多くあります。

②クルマの定期的なメンテナンスを怠らないこと

クルマは、機械の集合体なので、1つの部品に不調があると連鎖的に不具合が発生することがあります。そのため、日頃から車のメンテナンスは重要となります。

クルマを購入してから、車検以外にほとんどメンテナンスをしないクルマと、日常的にメンテナンスを行っているクルマとでは、クルマの状態に大きな差が生まれます。それは、日常的にクルマのメンテナンスを行っていれば、クルマのコンディションを常に最高の状態に保つことができます。それにより、故障も早期に発見できるので、大きな故障に繋がりにくいことが挙げられます。

また、クルマの定期点検には、クルマのカルテと呼ばれるメンテナンスノートにクルマの状態が記録されます。メンテナンスノートを見れば、どのようなメンテナンスを行ってきたか経歴を知ることができるので、メンテナンスを行わなかったクルマに比べ値下がりを抑えることができます。

③急の付く運転操作は極力控える

クルマの値下がりを防ぐには、運転方法にも気を使うことが重要です。クルマは、アクセルを深く踏めば急加速し、ブレーキを強く踏めば急停止することは誰でも知っていることですが、このような操作を繰り返すと、クルマの各部にダメージを蓄積します。同じように、カーブなどで急なハンドル操作で走行すると、同じようにクルマにダメージを与えます。

クルマは、1トン以上の車両重量がほとんどであり、この重量が走行時に加速、ブレーキ、カーブで大きな力がクルマの各部にかかります。この大きな力が出来るだけかからない運転を心がけることで、クルマ各部へのダメージを和らげることができます。そうすると、クルマは良い状態が保たれて、操作を雑に扱った車より値下がりを抑えることができます。

まとめ

クルマは、購入と同時に値下がりが始まる商品です。そして、クルマの扱い方や程度にも左右されるほか、長く所有すればするほど値下がり続けます。

クルマは、時間の経過と走行距離そしてクルマの状態が、売却時の値下がり具合を大きく左右することを理解し、売却すると決めたら直ぐに行動に移すことが大事です。

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