2021年10月14日から17日、WRC(世界ラリー選手権)第11戦ラリー・スペインがスペイン北東部のコスタ・ドラダ(黄金海岸)のビーチリゾート、サロウを起点に開催され、ヒュンダイのティエリー・ヌーヴィルが優勝、トヨタのエルフィン・エバンスが2位、3位にはヒュンダイのダニ・ソルドが入った。

圧巻の8連続ベストタイムでヌービルがエバンスを振り切る

画像: ラリー・スペインの表彰台。中央が優勝したヒュンダイのティエリー・ヌーヴィル。

ラリー・スペインの表彰台。中央が優勝したヒュンダイのティエリー・ヌーヴィル。

2年ぶりの開催となったラリー・スペインの勝敗を分けたのは経験だった。ヒュンダイのヌーヴィルが前回大会(2019年)を同じi20 クーペWRCで制しているのに対し、トヨタのドライバーはいずれも昨年からの加入のためヤリスWRCでスペインのターマックステージを走るのは初めてだった。

ラリー初日、金曜日のオープニングのSS1こそ前戦優勝の勢いでエバンスが他を圧倒するタイムをマークしたものの、午後からはサービスでセッティングを変更したヌーヴィルがベストタイムを連発して追い上げを敢行。この日最後のSS6でついにエバンスを逆転して首位に躍り出た。 

両者の差はわずか0.7秒。土曜日も緊迫の戦いが期待されたが、フタを開けて見ると出だしのSS7からステージに完璧にフィットしたi20クーペWRCでヌーヴィルが快走、前日からの8連続となるベストタイムをマークして一気にセーフティマージンを築き上げた。

一方のエバンスはセッティング変更が裏目に出て、この日はペースが上がらず。翌日の最終日も同様の展開でさらに差を広げたヌーヴィルが今シーズン2勝目のフィニッシュに飛び込んだ。

オジェもソルドに敗れ4位、タイトル確定は最終戦へ

画像: 2位に入り、ドライバーズタイトルに望みを繋いだトヨタのエルフィン・エバンス。

2位に入り、ドライバーズタイトルに望みを繋いだトヨタのエルフィン・エバンス。

3位争いでもトヨタはヒュンダイに完敗した。地元スペイン出身のソルドの猛追に対し、ようやくセッティングの決まったヤリスWRCで安全圏内に入ったかと思われたセバスチャン・オジェが、土曜日の最終ストリートステージのタイトコーナーでエンストを喫して痛恨のタイムロス。ここで5秒のリードを吐き出し、翌日曜日のオープニングとなるSS16でもソルドの後塵を拝して3番手の座を明け渡してしまう。

オジェは結局、最後まで順位を戻すことができず、3位表彰台はソルドのものとなった。最終パワーステージでも、ソルドはヌーヴィルとともに1-2タイムをマークしてチームにフルボーナスポイントをプレゼント、トヨタのマニュファクチャラーズタイトル確定を阻止している。

ドライバーズ選手権ではエバンスがオジェとの差を17点差に縮め、トヨタとヒュンダイが47点差となったマニュファクチャラーズ選手権とともに決着は、最終戦の結果次第となった。

最終戦ラリー・モンツァは11月18日から21日にイタリア、ミラノ近郊のアウトドローモ・モンツァを起点に開催される。

2021年WRC第11戦ラリー・スペイン結果

1位T.ヌーヴィル(ヒュンダイ i20クーペ WRC)2h34m11.8s
2位 E.エバンス(トヨタ ヤリス WRC)+24.1s
3位 D.ソルド(ヒュンダイ i20クーペ WRC)+35.3s
4位 S.オジェ(トヨタ ヤリス WRC)+42.1s
5位 K.ロバンペラ(トヨタ ヤリス WRC)+1m31.8s
6位G.グリーンスミス(フォード フィエスタ WRC)+4m17.3s
7位 O.ソルベルグ(ヒュンダイ i20クーペ WRC)+4m26.7s
8位 N.ソランス(ヒュンダイ i20クーペ WRC)+4m34.9
9位 E. カミリ(シトロエン C3 Rally2)+9m49.4s
10位 N.グリアジン(シュコダ ファビア ラリー5 Evo)+10m05.9s

2021年WRCドライバーズランキング(第11戦終了時)

1位 S.オジェ(トヨタ)204
2位 E.エバンス(トヨタ) 187
3位 T.ヌーヴィル(ヒュンダイ)159
4位 K.ロバンペラ(トヨタ) 140
5位 O.タナック(ヒュンダイ)128
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7位 勝田貴元(トヨタ)68

2021年WRCマニュファクチャラーズランキング(第11戦終了時)

1位 トヨタ 474
2位 ヒュンダイ427
3位 Mスポーツ フォード 187

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