富士山の南側、愛鷹山の麓にあるこぢんまりしたPA
愛鷹PA(下り)は、その名のとおり、愛鷹山(あしたかやま)の麓にあるPAです。愛鷹山は富士山の南に広がる連峰のひとつ。縁起の良い初夢「一富士、二鷹、三なすび」の「鷹」は、この愛鷹山を指すという説もあります。ちなみに愛鷹PAでは、そうした由来にちなんで、頭が富士山、体がナスという鷹のご当地ゆるキャラ「たかぼー」を生み出しています。ここでしか買えない、「たかぼー」のオリジナルグッズやクッキーをはじめとするお菓子も要チェックでしょう。
また、愛鷹PA(下り)の海側には駿河湾の眺望を楽しめます。すぐ隣りに沼津ICがあるため、沼津関連のおみやげ物も充実。カレー専門の自動販売機を用意するなど、こぢんまりとした施設ですが、見どころもたっぷりとあるPAでもあります。
愛鷹PA(下り)のユニークなオリジナル グルメたち
愛鷹PA(下り)の料理は、ユニークな名前を与えられているものが多いんです。メニュー欄には「ジェラシー丼」(810円)や「しっとしてご麺」(880円)、「燃えて豚ちゃん丼」(840円)、「愛・ほろほろ丼」(750円)など、愉快なネーミングが並びます。
ちなみに、それぞれにちゃんとした名前の由来があり、店長さんによると「PAで一番人気のメニューは『焼肉定食』。でも、その人気にジェラシーを感じてできたドンブリが『ジェラシー丼』となりました」、「『焼肉定食』と『ジェラシー丼』の人気に嫉妬してできたラーメンが『しっとしてご麺』」だとか。メニュー欄を眺めているだけで、ちょっと楽しい気分になれるのは、愛鷹PA(下り)の大きな魅力ではないでしょうか。
「最初にネーミングに凝るようになったのは10年以上前のこと。NEXCO中日本のメニューコンテスト用に作った『愛・ほろほろ丼』がきっかけです。鳥のひき肉のそぼろを母、フワフワのタマゴを子供、カリカリのお肉をお父さんに見立てて、愛のある家族の3つの味を楽しめるドンブリです。幅広い世代の方に人気となりました。『ジェラシー丼』が生まれたのは、新東名開通の頃ですね。豚肉、タマネギ、ニラを、豆板醤を使ったオリジナルのピリ辛のタレで炒めたドンブリです。『しっとしてご麺』は、その『ジェラシー丼』と同じ具材を使ってできたラーメンです」と、店長さんは説明してくれました。
手作りのカレーに人気のピリ辛具材をプラス
そんな愛鷹PA(下り)で、イチ押ししたいグルメが「たかぼーカレー」(850円)です。先に説明したご当地ゆるキャラの「たかぼー」を名前にする、愛鷹PA(下り)らしいひと皿。手作りカレーに、「ジェラシー丼」にも使われる、ピリ辛の豚肉炒めの具材をトッピングしたもの。真ん中に置かれた、「一富士、二鷹、三なすび」のナスも迫力です。
では、まずはカレーから! ひと口食べると、これがビックリするほどマイルド。聞けば、ニンジンとタマネギだけでできた野菜カレーだそうです。そんなカレーに、豆板醤の効いたピリ辛の豚肉の具材をプラスすると、ちょうどよい辛味となります。また、ピリ辛と言っても、その中にはまろやかさがあって、それだけでも十分なおいしさ。さらに、ご飯と具材だけを食べれば、そのまんま「ジェラシー丼」。つまり、カレーとご飯、具材とカレーとご飯、具材とご飯というように、いろいろな食べ方が楽しめます。
そして最後の驚きは、盛り付けられたご飯の真ん中をへこませて輪のような形になっており、その中心に具材がぎっしり詰まっていることです。つまり、けっこうなボリュームがあるのです。愛鷹PA(下り)は、働くドライバーさんの利用が多いそうですが、そんな人たちにも「たかぼーカレー」のボリュームは大好評とか。
正直、愛鷹PA(下り)は小さなPAですが、そこにある驚きと楽しさは、大きなSAにも負けない個性があります。ぜひとも、立ち寄ってほしいPAです。(取材協力:NEXCO中日本/文と写真:鈴木ケンイチ)
■愛鷹PA(下り)
●営業時間
「スナックコーナー」 8:00~20:00
※新型コロナウイルス感染状況により、営業時間が変更になる場合もあります。