アグレッシブなタイヤ戦略でフェルスタッペンが8勝目
ポールポシションのマックス・フェルスタッペン、予選2位のルイス・ハミルトン、チャンピオンを争うふたりがフロントロウに並んだアメリカGPは、スタートからフィニッシュまで気の抜けない一騎討ちとなった。
先手を取ったのはハミルトン。スタートで好ダッシュを見せて、ターン1のイン側からフェルスタッペンを押し出すような形で首位へ。出し抜かれたレッドブルは早めのタイヤ交換で逆襲し、ハミルトンをアンダーカットしてフェルスタッペンは首位奪還に成功する。
2回目のタイヤ交換も同様でレッドブルが先に動き、ハミルトンがタイヤ交換に入ったのは8周も後だった。そこからフィニッシュまで、ふたりの争いはタイヤを労りながらの神経戦に。
ペース的に優位だったのはやはりフレッシュなタイヤを履くハミルトンの方で、残り10周を過ぎた時点から最速ラップを更新しながら大きく差を削り取ってレッドブルに迫る。
周回数を考えれば逆転も十分にあり得る状況だったが、今回のフェルスタッペンは冷静だった。最終盤の大事な周回で力を振り絞り、最後までハミルトンをDRS作動範囲内である1秒以内に入れることなくフィニッシュへ飛び込んで地元オランダGP以来となるシーズン8勝目をあげた。
レース後フェルスタッペンは「スタートで抜かれてしまったので、早めの仕掛けをすることになった。最後はタイヤが厳しくてマネージメントするのが大変だった。高速コーナーでは滑りまくっていたけど、なんとかうまくバランスを保って走り切ることができたよ」と会心の表情を見せた。
一方、ハミルトンは「今回はやるべきことはやった。すべてを出しつくして負けたんだからマックスを祝福したい」と完敗を認めた。
これでランキング首位のフェルスタッペンと2位のハミルトンのポイント差は12点差と広がったが、まだ5戦を残しており予断を許さない緊迫の状態は続く。次戦第18戦メキシコシティGPは11月5日から、メキシコシティ郊外のエルマノス・ロドリゲス・サーキットで開催される。
2021年F1第17戦アメリカGP決勝 結果
1位 33 M.フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)56周
2位 44 L.ハミルトン(メルセデス)+1.333s
3位 11 S.ペレス(レッドブル・ホンダ)+42.223s
4位 16 C.ルクレール(フェラーリ)+52.246s
5位 3 D.リカルド(マクラーレン・メルセデス)+76.854s
6位 77 V.ボッタス(メルセデス)+80.128s
7位 55 C.サインツ(フェラーリ)+83.545s
8位 4 L.ノリス(マクラーレン・メルセデス)+84.395s
9位 22 角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)+1周
10位 5 S .ヴェッテル(アストンマーティン・メルセデス)+1周
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リタイア 10 P.ガスリー(アルファタウリ・ホンダ)
2021年F1ドライバーズランキング(第17戦終了時)
1位 M.フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)287.5
2位 L.ハミルトン(メルセデス)275.5
3位 V.ボッタス(メルセデス)185
4位 S.ペレス(レッドブル・ホンダ)150
5位 L.ノリス(マクラーレン・メル セデス)149
6位 C.ルクレール(フェラーリ)128
7位 C.サインツ(フェラーリ)122.5
8位 D.リカルド(マクラーレン・メルセデス)105
9位 P.ガスリー (アルファタウリ・ホンダ)74
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14位 角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)20
2021年コンストラクターズランキング(第17戦終了時)
1位 メルセデス 460.5
2位 レッドブル・ホンダ 437.5
3位 マクラーレン・メルセデス 254
4位 フェラーリ 250.5
5位 アルピーヌ・ルノー 104
6位 アルファタウリ・ホンダ 94