2021年11月20日、F1第20戦カタールGP予選がロサイル・インターナショナル・サーキットで行われ、ルイス・ハミルトン(メルセデス)が2番手マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)に0.455秒差をつける圧巻のタイムでポールポジションを獲得した。ガスリーは4番手、角田もQ3に進出し8番手につけた。

走行を重ねるごとにペースを上げてきたハミルトン

予選開始時の気温26度、路面温度28度。日没後気温は下がったものの、予選中のコンディションは安定していた。

そんな予選で好調な走りを見せたのがメルセデス。とくにハミルトンは走行を重ねるごとにペースを上げ、Q3ではすべてのセクションでベストタイムをマークする圧巻の走りでポールポジションを獲得した。フェルスタッペンはバルテリ・ボッタス(メルセデス)を上回ってなんとかフロントロウ2番手を確保したが、ハミルトンに0.455秒という大きな差をつけられた。

画像: カタールGPでポールポジションを獲得したルイス・ハミルトン(メルセデス)。すべてのセクションでベストタイムをマーク、圧倒的な速さを見せつけた。

カタールGPでポールポジションを獲得したルイス・ハミルトン(メルセデス)。すべてのセクションでベストタイムをマーク、圧倒的な速さを見せつけた。

ボッタスに続く4番手となったのがピエール・ガスリー(アルファタウリ・ホンダ)。ガスリーは全体2番手でQ2を突破すると、Q3の最後のアタックで縁石に乗ってフロントタイヤがパンクを喫することになったものの、それでも4番手をキープした。

角田裕毅はQ1を7番手で余裕で通過すると、Q2でも7番手に入り直近の5戦で4度目となるQ3進出を決め、決勝レースでの8番グリッドを獲得した。

一方、Q2では上位進出が予想されたドライバーが立て続けに敗退したが、ペレスもそのひとりとなってしまい、通過ラインまでわずか0.1秒差の11番手でQ3進出を逃した。ただ、決勝ではスタートタイヤを自由に選択できるため、レースでの巻き返しを図る。

なお、決勝スタートタイヤは、ハミルトン、ボッタス、フェルスタッペン、カルロス・サインツ(フェラーリ)の4人がミディアム。トップ10のそれ以外のドライバーはソフトタイヤとなる。

コンディションの変化とタイヤ選択がポイント

ホンダの田辺豊治F1テクニカルディレクターは「レッドブル・ホンダのフェルスタッペン選手がフロントロウ2番手を獲得しましたが、一方でペレス選手はQ2敗退、11番手と厳しい結果になりました。アルファタウリ・ホンダの2台は初日から非常に好調で、予選ではガスリー選手が4番手、角田選手が8番手と、初めてのサーキットでチームとともによいパフォーマンスを見せています。プラクティスの状況から、このサーキットはタイヤに厳しいことが見えてきています。レース中の乗り方の変化などにも迅速に対応して、パワーユニットのパフォーマンスを最大限に発揮できるよう、さらに準備を進めます」とコメント。ホンダ勢の各ドライバーは次のように語っている。

マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)

「少し浮き沈みのあるレースウイークになっていて、予選の内容には満足していますが、速さが十分ではありませんでした。自分ではかなりいいラップだと思っていたので、タイム差を聞いたときは少しショックを受けましたし、メルセデスと戦うのはとても難しいと感じています。そんな中で2番手というのはよかったですが、ルイスとの差は大きいです。明日、奇跡を期待することはしませんが、初めてのコースで何が起きるか分からないので、決してあきらめません」

画像: 2番グリッドからハミルトンをどう攻略するか。タイヤ戦略も見物。

2番グリッドからハミルトンをどう攻略するか。タイヤ戦略も見物。

セルジオ・ペレス(レッドブル・ホンダ)

「おかしな予選となりました。それまで上位にいましたし、変更にも自信を持っていました。日没後のコンディションでタイヤを準備するアプローチを変えたのですが、トラフィックに遭遇し、Q2ではその代償を払う形で上手くラップをまとめられませんでした。問題に遭遇しなければマシンのペースはよかったですし、レースウイークを通じて上向いているので、明日戦いを挑んで上位進出ができない理由はありません。レースの日には強さを取り戻し、集団の中を追い上げて多くのポイントをつかみたいです」

画像: 予選11番手に終わったペレス。コンストラクターズタイトル獲得のために、少しでも多くのポイント獲得を目指す。

予選11番手に終わったペレス。コンストラクターズタイトル獲得のために、少しでも多くのポイント獲得を目指す。

ピエール・ガスリー(アルファタウリ・ホンダ)

「予選結果はとてもうれしいです。最高の内容になりましたし、またもメルセデス勢とマックスの直後につけられたことも素晴らしいです。最後のアタックでは0.15秒くらい更新できていましたが、ターン15で縁石をまたいだことでフロントウイングを失い、それによって右フロントタイヤもパンクしてしまいました。ただ、力強い結果で予選を終えられ、いいポジションが確保できました。アルピーヌの2台も僅差にいるので、レースでは激しいバトルになると思います」

画像: 表彰台までもう少し。安定した速さでガスリーは存在感を示している。

表彰台までもう少し。安定した速さでガスリーは存在感を示している。

角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)

「いい予選になったと思いますし、8番グリッドという結果はうれしいです。Q1でソフトタイヤを1セット多く使わざるを得ず、Q3で使う新品が少なくなったことは不運でしたが、今日の内容にはとても満足しています。スタートがカギになりますが、ここでは全員にとって初めてのレースとなり、条件が同じというのはポジティブに感じています。今夜は可能な限りの準備をして、明日どうなるか見ていきます」

画像: 直近の5戦で4度目となるトップ10入りを果たした角田。決勝で結果を残せるか。

直近の5戦で4度目となるトップ10入りを果たした角田。決勝で結果を残せるか。

タイヤを供給するピレリは「予選は、気温26度、路面温度28度で安定していましたが、決勝でも同様のコンディションが予想されます。そんな中で、ハミルトンとボッタス、フェルスタッペン、サインツの4人がミディアムタイヤでQ2をクリアしましたが、それが簡単なことでなかったように、まだ不透明な要素があります。理論上はミディアム→ハード→ミディアムの2ストップが最適ですが、ソフト→ミディアム→ミディアム、ミディアム→ハード→ソフトも機能しそうです。このサーキットはF1では初めてで、しかも正しいデータをとれる走行時間が短いので、チームはまだレースの全体像が見えていないようです。とくに路面温度が低くなるとまた状況は変わります。それでも1ストッパーはお勧めできません」と分析している。

F1第20戦カタールGP決勝は日本時間11月21日23時(現地時間17時)に開始される。

2021年第20戦カタールGP予選 結果

1位 44 L.ハミルトン(メルセデス)1:20.827
2位 33 M.フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)1:21.282
3位 77 V.ボッタス(メルセデス)1:21.478
4位 10 P.ガスリー(アルファタウリ・ホンダ)1:21.640
5位 14 F.アロンソ(アルピーヌ・ルノー)1:21.670
6位 4 L.ノリス(マクラーレン・メルセデス)1:21.731
7位0 55 C.サインツ(フェラーリ)1:21.840
8位 22 角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)1:21.881
9位 31 E.オコン(アルピーヌ・ルノー)1:22.028
10位 5 S.ヴェッテル(アストンマーティン・メルセデス)1:22.785
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11位 11 S.ペレス(レッドブル・ホンダ)

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