会場はドバイでも超人気のエンタメスポット。スケールの違いに圧倒される
超がつく高層ビルが林立するリバーサイドの広大なスペースに、まさに人とクルマがひしめき合っている。2021年11月19日~20日の2日間、アラブ首長国連邦のひとつドバイ(正式にはドバイ首長国)で「Icons of Porsche」が開催された。2日間で7000人が訪れ、1000台を超えるポルシェの名車たちとの「出会い」を満喫したという。
会場となったのは、通称「D3」と呼ばれるDubai Design District(ドバイ・デザイン地区)の駐車場。ブルジュ・ハリファのあるダウンタウン地区からドバイ・クリーク(運河)を挟んで、対岸奥に広がるエリアだ。世界的なデザイントレンドの発信エリアであり、スタジオやホテル、高級アパートメントとショッピングプロムナードが立ち並ぶ。
そこに、中東エリアから集められた貴重なオーナーカーたちが集められた。さらに観客を喜ばせたのは、ポルシェミュージアムから運ばれた伝説的なクルマたちだった。中でも、母国ドイツ以外で初めての一般公開となる幻のデザインスタディ「Porsche Unseen」は、とくに注目を浴びていたようだ。
クルマ文化をとことん楽しみたい気持ちは、中東も日本も変わらない。
ほかにもさまざまな仕掛けが盛りだくさん。自動車をモチーフにユニークな3Dアート写真を手掛けるクリス・ラブロイの作品展示や、さまざまなライブエンターテインメント、ミュージカルパフォーマンス、有名なコーヒーショップとコラボしたカフェなどで、文字どおり「朝から晩まで」楽しめるお祭りとなった。
中東を初めて訪れたというポルシェAGのスペシャルプロダクト&スタイルディレクター、グラント・ラーソン氏は、その熱気あふれる盛り上がりに圧倒されたという。
「モーターショーやショールームでの展示とは違う意味で、ファンが互いにつながりを深め、シンプルに楽しい時間を過ごし、さらにはポルシェというブランドが持つヘリテージの価値を学ぶことができる素晴らしいイベントでした」
根底を流れる「クルマとそれを巡る文化を楽しむ」というテーマはもちろん、日本のファンイベントと大きな違いはないだろう。それでもお国柄や雰囲気がまったく異なるお祭り騒ぎの風景には、一見の価値がある。もちろんできることなら、現地でリアルに観てみたいとは思うのだけれど。(文:Webモーターマガジン編集部 神原 久/写真:Porsche AG)