タイトル写真:アリア シングルシーター コンセプトの横に立つ、グローバルマーケティング ブランドエンゲージメント担当副本部長のフアン・オヨス氏(右)と、グローバルデザインを担当する専務執行役員のアルフォンソ・アルバイサ氏(左)
日本語の「駿」と「翔」を体現化したスタイリング
このコンセプトモデルは、2021年12月27日まで横浜の日産グローバル本社ギャラリーで開催中の「NISSAN FUTURES」において発表された。アリアのパワートレーンをシングルシーター(1人乗り)のレーシングカーのシャシ(おそらくフォーミュラE用)に搭載したもので、未来の電動車両がパフォーマンスをより追求した場合、どのようなスタイリングになるかを考察したものだという。
グローバルマーケティング ブランドエンゲージメント担当副本部長のフアン・オヨス氏は「日産には他がやらないことをやるという精神があり、このコンセプトモデルはアリアのパワートレーンの可能性をモータースポーツのパッケージで追求したものです。ロードカーのデザインやスタイリングだけでなく、効率的なEVへの新しいアプローチを考察しています。レースカーで培ったノウハウや技術で、市販車をさらに進化させていくという取り組みです」と語った。
グローバルデザインを担当する専務執行役員アルフォンソ・アルバイサ氏は「日産は長期ビジョンの『日産 アンビション 2030』においても、アリアで取り入れた『タイムレス ジャパニーズ フューチャリズム』というデザイン言語を継続して採用していきます。このコンセプトモデルは、日本語の『駿(しゅん)』と『翔(しょう)』という言葉を体現して、素早く軽やかに走る、力強く、優雅に羽ばたく姿を表現しています。アリアのパワートレーンを、モータースポーツから着想を得たパッケージに活用することで、スピードや技術、芸術性などを表現する新たな感覚を得られました」と語った。
アリア シングルシーター コンセプトのスペックなどは一切アナウンスされていないが、アリアのデザインを踏襲している。ボディカラーにはアリアの訴求色である「暁(サンライズカッパー)」が用いられ、アリアのV字フロントグリルを模したV字型のライトが装着されている。側面にはカーボンファイバーを用いて、フロントからリアへ美しく流れていく、アリアの流動的でムダのない表面が大胆に表現されている。
なお、展示車両はデザインコンセプトのため、実際にアリアのパワートレーンを搭載しているわけではない。日産としては、アリアのパワートレーンやe-4ORCEなどの次世代システムをレーシングカーのシャシに組み合わされることで、EVのさらなる可能性やワクワクする魅力を追求していくという。
日産ファンやモータースポーツファンならずとも、このコンセプトモデルが実際に走行するシーンを1日でも早く見たいものだ。