「免許証を返納するまで乗ってもらいたい」とレストア
伊藤かずえさんが初代シーマ(FPY31型)シーマを30年以上愛用していることは、テレビ番組でも紹介された有名な話。そこで日産は、伊藤さんのシーマへの想いに感謝し、今後も長く乗り続けていただきたい、との気持ちをこめて2021年4月から伊藤さんの車両のレストア(復元)を実施してきた。
伊藤さんは30年以上、大事に、ていねいにシーマを運転しており、また定期的なメンテナンスや点検なども実施していたので、大きな不具合などは一切なかった。とはいえ、再塗装をされた外装や、外から見えない細かいパーツなどの経年劣化、汚れなどは多くの箇所で発見された。
今回のレストアは、今後も伊藤さんに愛車「シーマ」を長く乗り続けてもらえるように、作業が必要な箇所を洗い出し、新しくすべき部分と、補修をすることで対応できる部分とを組み合わせて実施された。30年以上前の車両だからこその風格を残しつつ、新車のような美しさに仕上げられた。
その作業中、生産が終了している部品の入手や作業方法の確認など、当初想定していた以上の時間を要することになった。思うように進まない部分もあったが、日産社内だけでなく多くの企業からの協力により、レストアは無事に完了。
そして今回、レストアされたシーマのお披露目会が東京・銀座のNISSAN CROSSINGで行われた。アンヴェールされて、新車のような美しさで甦った愛車のシーマを見た伊藤さんは、感激のあまり思わず涙ぐむシーンもあった。
なお、このシーマは2021年12月22日(水)まで、NISSAN CROSSINGに展示される。30年以上前のクルマとは思えないほど美しくレストアされたシーマの実車は、一見の価値があるだろう。