2021年に売れた輸入車の6台に1台はステランティス
日本では、FCAジャパンとグループPSAジャパンからなるステランティスグループは、アバルト、アルファロメオ、ジープ、シトロエン、DS、フィアット、プジョーの7ブランドで展開している。
2021年は新型コロナウイルス感染症と半導体の供給不⾜の影響を受けて前年割れとなった乗⽤⾞市場だが、ステランティスの各ブランドの販売台数合計は対前年比10%増の4万4976台となり、史上最高の数値を記録した。輸入車市場のマーケットシェアにおいても、ステランティス7ブランド合計で初めて17%を超えたことになり、2021年に日本で販売された輸入車の6台に1台はステランティスブランドのモデルとなった。
この要因は、各ブランドがいずれもニューモデルや限定車などの新製品をいくつも投入、またディーラー網の整備拡大などによるものだ。導入されるほとんどのモデルを右ハンドル仕様とし、装備も日本の実情に合ったものを充実させていることも大きな要因だ。
■ジープ(JEEP)
ジープは、ラングラーとコンパスが好調で、9年連続で販売記録を更新し、2021年は初めて1万4000台を超えた。いまや日本は、世界で7番目にジープが売れている国となった。
■プジョー(PEUGEOT)
プジョーは「パワー of チョイス」ラインナップの販売が好調で、7年連続で販売を伸ばした。とくに、208/2008は5000台を超える販売台数で過去最高を更新した。
■フィアット(FIAT)
フィアットは、500ファミリーが発売以来14年目にして過去最高の販売台数を記録した。製品グレードの刷新や新CIの店舗がブランドの魅力を高めていることも好調の要因だ。
■シトロエン(CITROEN)
シトロエンは、2年連続で5000台以上を販売して1990年以来で最高の年となった。最大の貢献者はベルランゴで、シトロエンの販売台数の半分以上を稼ぎ出した。
■アルファロメオ(ALFAROMEO)/DS
プレミアムブランドであるアルファロメオとDSも好調を維持した。アルファロメオは対前年比で約40%も成長。DSは前年よりわずかに下回ったが、PHEVやBEVの販売比率を高めている。
■アバルト(ABARTH)
アバルトは124スパイダーの販売終了で台数こそ減ったものの、限定車を中心に根強い人気を維持している。
2022年、ステランティスの各ブランドは、以下のようなニューモデル攻勢を展開する予定だ。
●ジープ:グランドチェロキーL(発表済み)、グラディエーター
●プジョー:308、308SW
●フィアット:500e/500e カブリオ
●シトロエン:C4/E-C4(発表済み)、C5X
●アルファロメオ:トナーレ
●DS:DS9、DS4
そして新たに、フィアット プロフェッショナルの商用バン「デュカート」を導入する予定だ。デュカートとグラディエーターは、2022年2月10日から幕張メッセで開催されるジャパン キャンピングカーショーに出展される。
また、2022年3月1日には国内販売子会社の統合が予定されている。FCAジャパンとグループPSAジャパンも、近い将来には「ステランティス ジャパン」となるだろう。魅力的なニューモデルを多数投入することで、ステランティスの各ブランドは2022年も堅調に販売台数を伸ばしていきそうだ。
なお、ステランティスのブランドで日本再導入が計画されている「オペル」について、今回はアナウンスされていない。(文:Webモーターマガジン編集部 篠原政明)