日本のモータリゼーションとともに月刊モーターマガジンは発行を重ね、今号で800号を迎えた。その間、約67年。自動車業界は今、100年に1度という大変革期を迎えている。そこで、この特集では日本を代表するメーカーやインポーターのキーマンにインタビューし、近未来の展望やカーボンニュートラルへの取り組みなどを訊くことにした。訊き手:Motor Magazine編集長 千葉知充(Motor Magazine2022年3月号より)

走る性能だけではなく環境への負荷を極力抑えた新製品を投入

MM 2022年1月には新製品のパイロットスポーツ5が発表されました。パイロットスポーツ4の進化版という認識でよろしいですか。

須藤 走る喜び、という面では正常進化を遂げつつ、環境性能を高めています。スポーツタイヤだから、環境への負荷には目をつぶっていいという時代ではありません。燃費性能も向上させてグレーディング、ウエット性能でも「a」を多くのサイズで取得しています。
弊社の製品は、何かを犠牲にして何かを上げたものではありません。楽しみを犠牲にせず環境にも優しくする。タイヤにどこか我慢しなくてはいけないところがあると、続かないと思います。またワクワク感というところでは、見た目も大切だと考えています。そこでフルリング プレミアム タッチというデザインを採用して、見た目が映えるものにしました。

画像: 2022年1月28日に発表されたばかりの最新スポーツモデル「パイロットスポーツ5」。

2022年1月28日に発表されたばかりの最新スポーツモデル「パイロットスポーツ5」。

MM パイロットスポーツ5はアジア圏の複数の拠点で生産されるようですが、その理由を教えてください。

須藤 確かにこれまでは、欧州でしか作れなかった製品が一部にありました。ただ、今後は工場のアップグレードにともない、欧州で売る製品をアジア圏でも作れるようになるなど、グローバルでの生産体制が整ってきているのです。
お客さまの中にはミシュランタイヤと言えば欧州製というイメージがあるかも知れませんが、生産設備に関して言えばアジアの方が投資は大きく、最新の設備が入っています。アジア製だから欧州製と差があるということは、まったくありません。これからは最新のアジアの工場で作った製品を、世界中に送り出していきます。

MM SDGs活動の一環ですね。

須藤 はい。日本市場向けにもアジア製を販売することで、配送距離を短縮化し、CO2排出量の削減とともに迅速な供給を実現していくつもりです。

MM 新製品が発表されたばかりですが、これから登場する新製品のアウトラインや抱負を教えていただけますか。

須藤 まず、市場のニーズ、期待に応えていかないといけません。今、市場の大きなトレンドは、長らくSUVブームが続いていますので、SUVセグメントの製品は、これまで以上に充実したいと考えていますね。お客さまのチョイスを増やすのが基本だと考えています。
そこに加えてクルマをドライブする楽しみを盛り込んでいきたいですね。全部が堅苦しいのはどうかなあと思うので(笑)。そういうところを考えながら、今、導入計画の最終の詰めを行っています。楽しみにしていてください。

MM パイロットスポーツ5というスポーツタイプだけでなく、それ以外のカテゴリーにも期待できそうですね。(写真:永元秀和、ミシュラン)

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