2022年3月18日、いよいよF1グランプリが開幕する。開幕戦の舞台はバーレーン。新型コロナウイルスがグランプリにどのような影響を及ぼすか、ウクライナ情勢はどうなるのか不透明のまま、22戦におよぶ長いシーズンが始まろうとしている。はたして2022年のF1グランプリはどんな戦いになるのか、シーズン開幕を前に、7回にわたって変更点、注目ポイントをチェックしていこう。本記事は第4回。

13インチから18インチタイヤへの劇的変化

エアロダイナミクスと同時に、もうひとつ、大きなレギュレーション変更がある。それは18インチタイヤの採用。フォーミュラEではすでにミシュランが18インチタイヤを供給、FIA-F2も2020年シーズンから18インチタイヤを導入しているが、F1も長かった13インチタイヤ時代に別れを告げてついに18インチタイヤを採用する。

F1にタイヤを供給するピレリは、18インチタイヤに変更することで「市販タイヤで培ってきた技術をF1に活かすことができる上、今後、F1に投入される先鋭的な技術を市販タイヤにフィードバックできる」としている。

画像: ピレリはこれまでと同様、各グランプリに3種類のドライコンパウンドと、インターミディエイト、フルウエットの5種類のタイヤを供給する。

ピレリはこれまでと同様、各グランプリに3種類のドライコンパウンドと、インターミディエイト、フルウエットの5種類のタイヤを供給する。

ただこの18インチタイヤの採用は、サスペンションの考え方にも大きな変化をもたらすことになり、チームにとっては大きな出来事になりそうだ。というのも、13インチタイヤの場合、エアボリュームが衝撃を吸収して車体の動きを安定させてくれたが、18インチタイヤではきちんとサスペンションを機能させなければならないからだ。加えてそのサスペンションに複雑な油圧システムを採用することが禁止となったので、チームはその対応に躍起となっている。

ちなみに、新たにカバーが装着されることになった18インチタイヤ用ホイールはBBSが独占供給する。

また、18インチタイヤの採用、安全性向上のためのシャシの衝撃吸収力強化により、最低重量が従来の752kgから790kgに増大したことにも注目。シーズンテストではその重量増の走りへの影響を指摘するドライバーが多かった。

18インチタイヤをどう履きこなすが大きなポイントとなりそうだ。

画像: スペイン・バルセロナで行われた第1回プレシーズンテストでは、タイヤの柔らかさによってC1〜C5まで5種類のドライコンパウンドと、インターミディエイト、フルウエットをテストし、また人工的にウエットコンディションを作り出すセッションも設けられた。

スペイン・バルセロナで行われた第1回プレシーズンテストでは、タイヤの柔らかさによってC1〜C5まで5種類のドライコンパウンドと、インターミディエイト、フルウエットをテストし、また人工的にウエットコンディションを作り出すセッションも設けられた。

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