2022年3月9日、F1開幕戦バーレーンGP(3月18日〜20日)を前に、アルファタウリから2022年F1グランプリに挑む角田裕毅がインタビューに応えてくれた。2022年シーズンをどう戦うのか、今シーズンへの思いを訊いた。

ルーキーイヤーとは異なり、自分がなにをすべきかクリアになっている

──もうすぐ2回目のプレシーズンテスト(3月10日〜12日)が行われますが、そこではどういったことが重要になりますか。

「まずこれまでのテストで見えてきた課題を解決すべく、できるだけ多くの情報をチームに正確にフィードバックして、少しでも良い状態で開幕戦を迎えなければなりません。新たな課題が見つかるかもしれませんが、第2回のテストから開幕戦まで少し時間があるので、収集したデータを下に開幕戦までにマシンを仕上げることになります。各チーム、燃料搭載量がまったく違うので車両の重量が違いますし、タイヤの状況も違うので、ライバルのタイムはそれほど気にしてません」

──新しいシーズンに向けて、オフはどういったことに取り組んだのですか。

「トレーニングは好きではありませんが、オフはほとんどトレーニングに時間を費やしてました。2021年に感じていたフィジカル面での弱点を克服すべく、また2022年のマシンに対してもパフォーマンスを上げるために、とくに首ですね。いや首だけではなく、心拍数や足、腕などすべてですね。毎日トレーニングしていました。フィジカルテストでは2021年よりも30〜40%パフォーマンス向上ができているので、シーズン開幕に向けて、いい感じです」

──メンタルのトレーニングはいかがですか。

「昨シーズン中盤、クラッシュが続いた時、自分のルーティンを見失っていた時期がありましたが、メンタルトレーナーとも話をして、自分のルーティンを取り戻すことができました」

──そのルーティンとはどういうものですか。

「F2の時は自然にできていたのですが、それができなくなっていました。クラッシュが続いた時、レース前にどうやったらクラッシュしないかと考えてしまい、そうするとどうしても身体が硬くなって思い切って動けず、ペースが遅くなっていたのです。音楽を聴いて、リラックスしようとしていましたが、その時、自分のルーティンというものに気づくことがあって・・・。具体的には、センション前に自分の理想とするラップを思い描いて、すべてのコーナーをシミュレーションすることで、自分の走りができるようになりました。自信を持つこと、自分を信じることの大切さに気づき、自分のルーティンを取り戻すことができたのです。過信は危険ですが」

画像: 第1回プレシーズンテスト初日、角田裕毅は121周を周回。積極的に走り込んだ。

第1回プレシーズンテスト初日、角田裕毅は121周を周回。積極的に走り込んだ。

──F1参戦2年目、昨シーズンの自分と違うところはありますか。

「昨シーズンはルーキーで十分な準備ができず、状況のコントロールができないまま表彰台を目標にしているところがありましたけど、それに至るプロセスを考えることはできませんでした。でも2022年は自分がなにをすべきか、なにをしたらパフォーマンスを上げることができるかがクリアなので、チームとともに一緒に戦える状況になっています」

──今シーズンの目標を教えてください。

「目標といえばやはり表彰台ですが、ポイントをできるだけたくさん取ること、自分の思うような走りをすること、チームメイトを上回ることですね」

──2022年こそ日本GPが開催されることを期待していますが、最後に、日本のファンにひと言お願いします。

「日本GPを楽しみにしています。2022年こそ日本に行きたいという思いが強いですね。日本のファンの前でF1マシンで走るというのが夢でしたし、その思いを噛み締めて鈴鹿を走りたいですね。そのためにも、日本GPまでにできるだけ多くの経験を積んで、納得のいく走りを実現して、いいパフォーマンスの状態で、もっと期待してもらえるような状況で日本GPを迎えたいですね。期待してください」

角田裕毅にとってF1参戦2年目となる2022年シーズンはもうすぐ開幕する。

画像: スクーデリア・アルファタウリでF1グランプリ2年目を迎える角田裕毅。

スクーデリア・アルファタウリでF1グランプリ2年目を迎える角田裕毅。

角田裕毅(ツノダユウキ)

生年月日:2000年5月11日生まれ
出身地:神奈川県相模原市
身長:160cm
体重:53kg
カーナンバー:22
2022年参戦チーム:スクーデリア・アルファタウリ
F1初レース:2021年開幕戦バーレーンGP(予選13位/決勝9位)
F1決勝最上位:4位(2021年アブダビGP)
F1予選最上位:7位(2021年オーストリアGP)
F1決勝入賞回数:7回

レーシングキャリア概要

2016年:鈴鹿サーキットレーシングスクール・フォーミュラ(SRS-F)卒業
2016年:スーパーFJ 日本一決定戦優勝
2016年:FIA-F4 第11戦鈴鹿 にスポット参戦して2位(史上最年少表彰台)
2017年:JAF-F4 東日本シリーズ シリーズチャンピオン・日本一決定戦 優勝
2017年:FIA F4日本選手権 シリーズ 3位
2018年:FIA F4日本選手権 シリーズ チャンピオン
2019年:レッドブル・ジュニアチームに加入
2019年:FIA F3選手権 シリーズ 9位(Jenzer Motorsport)1勝 表彰台3回
2019年:ユーロフォーミュラ・オープン・チャンピオンシップ シリーズ4位(Motopark)
2020年:FIA F2選手権 シリーズ 3位(Carlin)3勝 表彰台7回 ポールポジション4回
2021年:アルファタウリ・ホンダからF1参戦、シリーズ14位 16ポイント

This article is a sponsored article by
''.