アルピナブランドの2026年以降の展開が気になるところだが・・・
ドイツ自動車メーカーのひとつ、アルピナ社は1960年代からBMW車のチューニングとモータースポーツを舞台に活躍し、1978年からBMWをベースにした乗用車の製造に着手。現在、3シリーズや8シリーズ、Xシリーズをベースとしたラグジュアリースポーツモデルをラインナップする。
ボディや足まわりに独自のチューニングを施すだけでなく、インテリアを構成する本革製品やエンジンを熟練工による手組みで仕立てるクラフトマンシップを特長とし、ボディサイドを前後に貫くストライプ「アルピナ・デコセット」や、20本もの細いスポークで構成されるホイールは同ブランドのアイコンである。
2021年においてはBMWアルピナ車は約2000台を生産されて、欧州や北米だけでなく日本も大きな市場となっている。しかし、こうした小規模自動車メーカーにとって近年の電気自動車への転換や、排出ガス規制の強化、先進運転支援システム(ADAS)/自動運転技術の開発競争などはコスト面においてもリスクを孕んだ要素なのだという。
そんな中、2022年3月10日にBMWグループによって発表されたのが「アルピナブランドの商標権取得」だ。対象はあくまで商標権であって、株式の取得ではない。
また、これによって今すぐ変革があるわけでなく、当分は従来と同様にBMWアルピナ車の開発・製造・販売を継続する。これはBMWとアルピナとの協力協定が2025年12月31日まで続くためで、既存のカーラインナップや部品・アクセサリーパーツの供給、アフターサービスにおいても変更はないとしている。
ただ、2026年以降の展開について具体的に触れられていない。レーシングテクノロジーを投入した「Mモデル」と対になるようなラグジュアリーサブブランド設立となるのか、オーダーメイドプログラム「BMWインディビデュアル」と関連するのか、などなど期待は膨らむ。
ちなみに今回の商標権取得は、アルピナ社のもうひとつの大きなビジネスとなってるワイン事業に影響しない。