NEXCO中日本は東名高速道路(以下、東名高速)足柄サービスエリア(SA)<上り/下り>の駐車マス増設工事が2022年3月31日に完成すると発表した。

混雑状況に応じて大型車も小型車も使える兼用マスを増設

足柄SA(上り/下り)は、東名高速を東京方面から名古屋方面に向かって、大井松田インターチェンジ(IC)と御殿場ICとの間に位置する。国内でも有数の広さを誇るSAで、スマートICや入浴施設、宿泊施設(上りのみ)も併設されている。

それゆえ駐車台数も多く、とくに夜間の時間帯を中心に駐車可能台数を上回る車両が滞在することもある。通路に大型車が駐停車するほどの混雑状況だった。そこで、駐車場のレイアウトを変更し、大型車駐車可能台数を約1.3倍、従来の534台(上り/下り合わせて、以下同じ)から171台増の705台へと増やした。

画像: 駐車マスの増設で、上り/下り合わせて小型車の駐車可能台数はは37%、大型車の駐車可能台数は32%増加した。

駐車マスの増設で、上り/下り合わせて小型車の駐車可能台数はは37%、大型車の駐車可能台数は32%増加した。

だが、今回の増設工事は駐車場の敷地を拡大したわけではない。限りある駐車エリアを有効に利用してもらうため、混雑状況に応じて小型車と大型(中型)車どちらでも利用できる「兼用マス」を増やしたのだ。「兼用マス」は、青ラインで明示されている(タイトル写真参照)。

それ以外にも、大型車マスやバスマスの増設、小型車マスの再編、障がい者専用マスや二輪車マスの増設などが行われる。兼用マスを活用することで小型車の駐車可能台数も、上りで431→516台(85台増)に、下りで325→517台(192台増)に増やされている。

兼用マスは、小型車が1台駐車していると大型(中型)車は駐車できなくなってしまうが、小型車を2台駐車できる寸法なので、スペースを考慮しながら駐車しよう。小型・中型兼用マスには、小型車と中型車が駐車できる。中型車とは車長8.5m程度、車幅2.2m程度の大きさの車両となる。

また、物流分野における労働力不足や多頻度小口輸送の伸展などを背景とする省力化・効率化・環境負荷低減を推進するため、ダブル連結トラック優先駐車マスを整備し、「21m超車両優先」を標示している。大型車も混雑時はダブル連結トラック以外の駐車は避けよう。

画像: ダブル連結トラック優先駐車マス。

ダブル連結トラック優先駐車マス。

さらに、小型車用駐車マスは前進駐車としていたが、駐車場から出る際にバックする車同士の事故が発生していたことや、「バックでの駐車の方が停めやすい」といったドライバーの声を反映し、レイアウトを変更して1列のみバック発進に見直している。

画像: 小型車の駐車マスはレイアウトを変更して、1列のみバック発進に見直した。

小型車の駐車マスはレイアウトを変更して、1列のみバック発進に見直した。

「まん延防止等重点措置」も解除され、また学校の春休みもはじまるなどドライブにもってこいな季節となり、高速道路を利用して出かける機会も増えるはず。交通混雑期の事故防止のため、誘導員が車種と異なる駐車マスに案内することがあるので、誘導員の案内に従って走行するよう心がけたい。(写真と図版:NEXCO中日本)

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