大幅なレイアウト変更が行われ高速サーキットに
「フェラーリとレッドブルの2強」の様相が見えてきた2022年序盤のF1グランプリ。第2戦サウジアラビアGPから中1週をはさんで、その図式にどんな変化が見られるのだろうか。
まず第3戦オーストラリアGPが行われるアルバート・パーク・サーキットのコースを見てみよう。
このコースはメルボルンの公園(アルバート・パーク)内の人工湖を周回する一般道と駐車場を利用して、F1グランプリのために特別に作られる半公道サーキット。これまでのコース路面は一部バンピーで、普段の通行量も少ないためダーティだったが、今回はアスファルトを舗装し直されたため状況が変わっている可能性もある。また公園の木々による影があったり、秋に向かう中で落ち葉もあるなど滑りやすいのもこのコースの特徴となっている。
コースレイアウトは高速で進入する90度コーナーが多くあるストップ&ゴータイプだが、今回初めて大幅なレイアウト変更が行われた。重要なポイントは、ターン9-10シケインをなくして高速コーナーに置き換えられたほか7つのコーナーを変更、いずれも高速化されたこと。また、DRSゾーンが4カ所に設定されたのも新たな試みとして注目される。従来は低速からの加速性能、スムーズで安定したブレーキ性能を求められたが、2022年は少し変化が見られそうだ。
ただ、ランオフエリアが狭いためアクシデントも起こりやすく、またオーバーテイクは簡単ではないので、予選順位の重要性は変わらないだろう。
このサーキットでどのチームが有利か予測するのは難しいが、2019年のオーストラリアGPでは、メルセデスのバルテリ・ボッタスが予選2番手から首位に立つと好タイムを連発、ライバルたちを寄せ付けず、ファステストラップを記録しながら圧巻の独走優勝を飾った。ポールポジションからスタートしたチームメイトのルイス・ハミルトンが2位。3位にレッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンが入った。
【参考】2019年F1開幕戦オーストラリアGP 決勝結果
1位 77 V.ボッタス(メルセデス)58周
2位 44 L.ハミルトン(メルセデス)+20.886s
3位 33 M.フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)+22.520s
4位 5 S.ヴェッテル(フェラーリ)+57.109s
5位 16 C.ルクレール(フェラーリ)+58.230s
6位 20 K.マグヌッセン(ハース)+87.156s
7位 27 N.ヒュルケンベルグ(ルノー)+1周
8位 7 K.ライコネン(アルファロメオ)+1周
9位 18 L.ストロール(レーシングポイント)+1周
10位 26 D.クビアト(トロロッソ・ホンダ)+1周
ファステストラップ 77 V.ボッタス(メルセデス)1:25.580
タイヤを供給するピレリは、オーストラリアGP開幕にあたって「3年ぶりのオーストラリアGPで、また2022年は追い越しを可能とするためにサーキットレイアウトが大幅に変更され、路面も新しくなって未知数の部分がたくさんあります。新しい路面は週末に向けて大きな進化が期待される一方で、雨に濡れると非常に滑りやすくなるでしょう。また今回は珍しいタイヤノミネートとなりました。ハードはC2コンパウンド、ミディアムが中間のC3コンパウンドとなりますが、ソフトは最も柔らかいC5コンパウンドを選択しました。これはC3コンパウンドとC4コンパウンドの間のパフォーマンスギャップが小さいことが判明したためで、今回はミディアムとソフトの間のギャップが通常よりも大きくなります」とコメントしている。
フェラーリとレッドブルの2強に、メルセデスがどこまで迫れるのか。フェラーリとレッドブルのバトルはどうなるか。2022年F1第3戦オーストラリアGPは、4月8日13時(日本時間12時)からのフリー走行1回目で開幕、予選は4月9日16時(日本時間15時)、決勝は4月10日15時(日本時間14時)に開始される。
2022年F1第3戦オーストラリアGP タイムスケジュール
フリー走行1回目:4月8日13時〜14時(日本時間12時〜13時)
フリー走行2回目:4月8日16時〜17時(日本時間15時〜16時)
フリー走行3回目:4月9日13時〜14時(日本時間12時〜13時)
予選:4月9日16時〜17時(日本時間15時〜16時)
決勝(58周):4月10日15時〜(日本時間14時〜)