決勝を見据えながら、結果も求められる難しい戦い
2022年シーズンの中で3戦に導入される新たなフォーマット「スプリント」は、金曜日の予選の結果をもとに、土曜日に行われる100km(25〜30分)の短距離レース。2021年に行われた「スプリント予選」は日曜の決勝レースのスターティンググリッドを決める意味合いが強かったが(上位3台にのみ3-2-1のポイントが与えられた)、今シーズンから新たに導入された「スプリント」はもうひとつのレースとも言えるもので、上位8位までに8-7-6-5-4-3-2-1という大きなポイントが与えられる。
このフォーマットがレースにどんな影響を及ぼすのか。昨年はスプリント予選での獲得ポイントが少なく、クルマを壊すと決勝レースを台無しにするため無理できなかったが、今年はポイントが増えて「本当の真剣勝負」を見られるのではないかと期待された。
今回は21周で行われる「スプリント」は曇り空のドライコンディションでスタート。タイヤを自由に選択でき、交換義務のない「スプリント」では、ハース勢ら3台をのぞくほぼ全車がソフトタイヤをチョイスして始まった。
スタートで失敗したフェルスタッペンが終盤に大逆転
フロントロウのフェルスタッペンはスタートで失敗。シャルル・ルクレール(フェラーリ)に先行を許すが、無理をせず2番手をキープし、終盤ソフトタイヤがタレ始めたルクレールを激しく攻めると、残り2周で見事にオーバーテイクを決めてトップでフィニッシュした。自身のタイヤにもグレイニング(タイヤのカスが付着して細かな凹凸となる状態)が発生する中、ルクレールとのギリギリのバトルは見応えがあった。
やはりレッドブルとフェラーリの速さは際立っていて、予選で失敗したセルジオ・ペレス(レッドブル)が3位、カルロス・サインツ(フェラーリ)が4位まで追い上げている。決勝レースもレッドブルとフェラーリの戦いとなりそうだ。
予選から苦戦を続けているメルセデスは、ジョージ・ラッセルが11位、ルイス・ハミルトンが14位と、見所のないまま終了。アルファタウリの不振も深刻で、角田裕毅はスタートこそ悪くなかったが16位、ピエール・ガスリーはオープニングで接触もあって17位にとどまっている。
エミリア・ロマーニャGPの「決勝」(63周)は、「スプリント」の結果をもとにしたスターティンググリッドで、日本時間4月24日22時に開始される。
2022年F1第4戦エミリア ロマーニャGPスプリント 結果
1位 1 M.フェルスタッペン(レッドブル) 21周
2位 16 C.ルクレール(フェラーリ)+2.975s
3位 11 S.ペレス(レッドブル) +4.271s
4位 55 C.サインツ(フェラーリ)+17.578s
5位 4 L.ノリス(マクラーレン・メルセデス) +24.561s
6位 3 D.リカルド(マクラーレン・メルセデス) +27.740s
7位 77 V.ボッタス(アルファロメオ・フェラーリ)+28.133s
8位 20 K.マグヌッセン(ハース・フェラーリ) +30.712s
9位 14 F.アロンソ(アルピーヌ・ルノー) +32.278s
10位 47 M.シューマッハー(ハース・フェラーリ) +33.773s
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11位 63 G.ラッセル(メルセデス) +36.284s
12位 22 角田裕毅(アルファタウリ・レッドブル) +38.298s
14位 44 L.ハミルトン(メルセデス) +41.459s
17位 10 P.ガスリー(アルファタウリ・レッドブル) +43.794s