2022年5月1日、NTTインディカーシリーズ第4戦がバーバー・モータースポーツパークで開催され、アロウ・マクラーレンSPのパト・オワードが、今季初優勝を果たした。2位はチップ・ガナッシ・レーシングのアレックス・パロウ、3位にエド・カーペンター・レーシングリナス・ヴィーケイが入った。佐藤琢磨は13位でレースを終えている。

勝負を分けたアウトラップ

バーバー・モータースポーツパークで開催されたアバラマは晴天の中90周で行われた。ポールポジションはラストアタックでオワードを逆転したヴィーケイが獲得。2位にはオワード、3位にアレックス・パロウが入った。佐藤琢磨はQ1進出ならず17番手から上位を目指す。

フォーメーションラップを2周消化しレースがスタート。ポールポジションのヴィーケイがトップでレースを引っ張る展開に。予選4番手スタートのスコット・マクラフラン(チーム・ペンスキー)が好スタートを決め3番手に上がるも、ペースを上げられず優勝争いをできず徐々に後退していく。

画像: R.ヴィーケイの速さが光るレース終盤。そんな中、P.オワードが虎視眈々とチャンスを窺っていた。

R.ヴィーケイの速さが光るレース終盤。そんな中、P.オワードが虎視眈々とチャンスを窺っていた。

2ストップがスタンダードな作戦だと考えられていたが、レース序盤、早くもジョセフ・ニューガーデン(チーム・ペンスキー)、コルトン・ハータ(アンドレッティ・オートスポート・ウィズ・カーブ・アガジェニアン)らが早めのピットストップを敢行。これは2ストップが燃費的に「ギリギリ」であるならば、3ストップでハイペースを維持した方が速いと考えたからだが、レースは2ストップ組が優勝を争うことになった。

ヴィーケイは快調に飛ばしトップをキープ。ペースも良く、このままポールトゥウィンを獲得すると思われたが、セカンドスティントに逆転劇が待っていた。61周目にピットインしたヴィーケイと2位のオワードが同時にピットイン。ピットストップでの順位の入れ替わりはなかったが、ターン5でオワードがアウト側から一気に仕掛けトップを奪取。アウトラップでの奇襲によりオワードがついにトップに躍り出た。

このピットインにより3番手につけていたパロウがトップに立ち、オワードらがタイヤ交換した2周後にピットイン。インラップにはペースを上げ、さらに迅速なタイヤ交換によりヴィーケイの前でコースインし2番手に浮上。コールドタイヤでヴィーケイを抑え、タイヤライフが長いパロウは最終スティントでオワードに勝負を仕掛けるかと思われたが、最終スティントのオワードのペースがよく、トップに追いつけなかった。

画像: アウトラップの一瞬の隙をつき優勝を掴んだP.オワード。

アウトラップの一瞬の隙をつき優勝を掴んだP.オワード。

結局セオリー通り2ストップで戦い抜いたオワードが逆転により今季初優勝。イコールコンディションとはいえ、アウトラップで勝負に出たアタックが勝利を引き寄せた。2位には決勝での強さを見せたパロウが入り、今季まだ優勝こそないものの、ランキングトップに躍り出た。3位にはヴィーケイが入った。

驚くべきは予選19番手からスタートしたウィル・パワー(チーム・ペンスキー)が4位でフィニッシュしたこと。アラバマで圧倒的な成績を残してきたパワーだったが、予選でまさかのQ1敗退。厳しいスタートとなったが、スタートでブラックタイヤを選び、セカンドスティントではレッドタイヤで一気に順位を上げてきた。13位スタートのスコット・ディクソン(チップ・ガナッシ・レーシング)も5位まで挽回し、ベテラン勢が力強いレース運びを見せてくれた。4戦が終わり3名のウィナーが誕生した今シーズン。チャンピオン争いも抜け出す者がおらず、今年も最後まで接戦が繰り広げられそうだ。

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