2022年7月22日、F1第12戦フランスGPがフランス・マルセイユ近郊のポールリカール・サーキットで開幕する。フェラーリが連勝を伸ばすのか、それともレッドブルが再び流れを引き寄せるのか。シーズン前半戦の重要なイベントとなりそうだ。

2連勝と調子を上げるフェラーリの速さは本物か

レッドブルとフェラーリの2強の力関係は微妙で、グランプリごとに勝利の女神は「行ったり来たり」。予選で速さを見せるものの、決勝では不運続きだったシャルル・ルクレール(フェラーリ)にもようやく好運が見え始めてきた。

画像: ピレリが公開したフランスGPの分析データ。

ピレリが公開したフランスGPの分析データ。

前戦第11戦オーストリアGPでは、金曜日の予選、土曜日のスプリントレースでこそマックス・フェルスタッペン(レッドブル)の後塵を拝したルクレールだったが、決勝では完璧なレース運びで、第3戦オーストラリアGP以来となるシーズン3勝目を挙げた。

ただ、フェルスタッペンにとっては、大量ポイント獲得こそならなかったものの、カルロス・サインツ(フェラーリ)のリタイアで2位を確保できたのは大きかった。

徐々にパフォーマンスを上げてきたメルセデス勢が3-4位に入賞したのも、シーズン終盤に向かう中で要注目ポイントだろう。

今週末のフランスGPと翌週のハンガリーGPの連戦を終えるとグランプリは夏休みに入るだけに、どのチームも少しでもランキングを上げておきたいところだ。

2022年F1ドライバーズランキング(第11戦終了時)

1位 M.フェルスタッペン(レッドブル)208
2位 C.ルクレール(フェラーリ)170
3位 S.ペレス(レッドブル)151
4位 C.サインツ(フェラーリ)133
5位 G.ラッセル(メルセデス)128
6位 L.ハミルトン(メルセデス)109

2022年F1コンストラクターズランキング(第11戦終了時)

1位 レッドブル 359
2位 フェラーリ 303
3位 メルセデス 237
4位 マクラーレン・メルセデス 81
5位 アルピーヌ・ルノー 81
6位 アルファロメオ・フェラーリ 51 
7位 ハース・フェラーリ 34
8位 アルファタウリ・レッドブル 27

167通りものレイアウトを備える変幻自在のコース

フランスGPが行われるポールリカール・サーキット(Circuit Paul Ricard)は、フランス・マルセイユ近郊のル・カステレにあるレーシングコース。最初の所有者である酒造メーカーの創業者の名前に由来した名称がおなじみとなっているが、ル・カステレ・サーキット(Le Castellet Circuit)と呼ばれることもある。

画像: ポールリカール・サーキットの空撮。167通りものレイアウトが設定できるが、その中からフランスGPでは全長5.842kmのコースが使われる。

ポールリカール・サーキットの空撮。167通りものレイアウトが設定できるが、その中からフランスGPでは全長5.842kmのコースが使われる。

1970年に設立されて、1990年までおよそ20年間にわたりフランスGPが行われたが、その後、マニクールにその舞台が移った間に全面的に改修されて、167通りものレイアウトを備える変幻自在のコースとなり、2018年から再びF1グランプリが行われることになった。

F1グランプリで使用されるのは、1.8kmの長いミストラル・ストレートの途中にシケインを設けた全長5.842kmのレイアウト。高低差は約31mあるが、勾配は緩やかなので、ほぼフラットと言える。

速いコーナーや全開のストレート、そしてテクニカルなセクションなど、あらゆるものが揃ったバランスのいいレイアウトで、エンジン全開率も70%と高く、オーバーテイクのチャンスもある。

セクターごとに見ると、第1セクターは低速のタイトコーナーとミドルストレート、第2セクターはミストラル・ストレートと高速コーナーのシーニュで構成され、第3セクターはダウンフォースとクルマの敏捷性が求められる中速コーナーが続く。

コース特性はスペインGPが行われるバルセロナサーキットに近く、高ダウンフォース仕様のマシンセッティングとなる。フランス南東部に吹く強い北風を意味する「ミストラル」をコーナー名に持つことからもわかるように、コースは海岸に近く、強い風が吹くこともあり、天候が急激に変わることでも知られる。

テスト用サーキットとして、ランオフエリアの赤と青の2つのカラーで彩られた部分は摩擦係数が高くなっており、コース外に飛び出たマシンを減速させるように設計されている。この部分はタイヤの摩耗が大きいので注意が必要だ。

画像: ポールリカール・サーキットのコース図。全体的には4本のストレートが低・中・高速コーナーでつながれたテクニカルなレイアウト。

ポールリカール・サーキットのコース図。全体的には4本のストレートが低・中・高速コーナーでつながれたテクニカルなレイアウト。

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