交通事故や緊急車両の通行妨害など、路上駐車が社会問題化
■設問1:路上駐車が原因で危険を感じた経験
警察庁交通局が公表した統計によると、2020年の駐車違反取締り件数(放置車両確認標章取付件数)は約100万件にのぼるという。そうした路上駐車が原因の交通事故は1582件で、38名の尊い命が失われている(出典: 警察庁交通局 駐車対策の現状(令和3年12月)。
路上駐車は他にも、交通渋滞の原因となってしまったり、時には緊急車両の通行の妨げになるなど、まさに「社会問題」となっているのだ。
「タイムズ」ブランドで、有料駐車場やカーシェア、レンタカー事業を全国展開している「パーク24グループ」は、そうした路上駐車の問題をなくすために、1998年から8月9日を「駐車場(パークの日)」として記念日登録。「1年のうち、たった1日でもいいから路上駐車が引き起こす様々な社会問題について考えてほしい」という、願いを込めて、さまざまな啓発活動を実施している。
2022年は、ドライバー向け会員制サービス「タイムズクラブ」の会員を対象に、「路上駐車に関する意識調査」を実施、8月2日にその結果を公表している。調査方法は「非公開型インターネットアンケート」で、調査期間は2022年2月16日~2月22日。有効回答数は6940名に達している。
危険だとわかっていても「路上駐車」してしまう理由は?
■設問2:2年以内の路上駐車経験
過去2年以内に「路上駐車をした経験がある」と回答した人は23%だった。同じように」路上駐車に関する意識調査を開始した2013年と比較すると、22ポイント減少している。
■設問3:路上駐車の理由
路上駐車をした理由については、「駐車場にとめるほどの時間ではなかったから」という回答が58%で最多となった。次いで、「近くに駐車場がなかったから」25%、「交通量が少なかったから」が6%となっている。
パーク24はこうしたアンケートの結果をもとに、人が路上駐車を行う理由にはふたつあることを挙げている。ひとつは「駐車場にとめるほどの(長い)時間ではない」という思い込み。もうひとつは「近くに駐車場がなかった」「あっても満車だった」というやむを得ない状況を理由としている場合だ。
こうした意識調査の結果を見ると、「必要な場所で必要な時にクルマをとめられる環境」作りが、路上駐車解消のひとつの有効手段であることは間違いない。そして同時に、路上駐車の問題だけでなく、クルマを便利に使うことでともなうさまざまな責任について、ユーザーはあらためて考えておくことが大切なのではないだろうか。
しょせんは語呂合わせ、などと決めつけずに「パークの日」を、自らの自動車に関する安全意識をリセットする日にしてみるのも悪くない。