MSOによる唯一無二のカスタマイズも可能
マクラーレンのプロダクションモデルとして初めてエンジンがシャシの一部を構成している。これはレーシングカーとしては一般的な手法で、モノコック工法に追加のシャシストラクチャーやサブフレームが不要のため、軽量化に最適だ。
組み合わされるトランスミッションはレース生まれの7速シーケンシャル ギアボックスで、ケースはアルミニウムとマグネシウム製パネルで構成されている。リアサスペンションはギアボックス ケースに取り付けられる。ギアはストレートカットだが、ソフトウエアが完全自動制御するため、ドライバーはクラッチ操作が不要だ。
サスペンションは前後ともダブルウイッシュボーン式で、インボード式トーションバー ダンピングを、フロントはプッシュロッド、リアはプルロッドで作動する。ホイールは18インチの鍛造アルミニウム製で、センターロック式を採用。タイヤはル・マン プロトタイプ仕様で、スリックとウエットの両コンパウンドを用意。ブレーキは、6ピストン/モノブロックのアルミニウム削り出しキャリパーと、カーボン製のブレーキディスクおよびパッドを採用している。
0→100km/h加速の目標タイムは2.5秒、最高速度は200mph(320km/h)とされているが、サーキット専用モデルゆえこの数値はそれほど重要ではない。それでも、他のモデルと同様、MSO(マクラーレン スペシャル オペレーションズ)によるカスタマイズが可能で、同じ仕様のソーラスGTは存在しないだろう。開発プログラムの進捗状況も定期的にアップデートし、プロトタイプのテスト走行に参加して、製造前にドライビング特性に影響を与える機会も用意されている。
ソーラスGTはサーキットイベントも計画されている。オーナーのサーキット活動をサポートするため、すべてのマシンはフライトケースとともにデリバリーされる。その中には、さまざまなツール、ジャッキ、スタンド、無線装備一式、クーラント プリヒーターが含まれている。
バーチャルワールドから現実世界に誕生したサーキット専用モデル、マクラーレン ソーラスGT。現在、サーキットでテスト走行を行う段階に入っており、既に完売している25台は、2023年からデリバリーが始まる予定だ。ちなみに、車両価格は発表されていない。
はたして、日本には何台か導入されるのだろうか。まずは、テスト風景の動画を見ながら、日本のサーキットを激走するシーンを想像することにしよう。