地元イタリアでフェラーリの逆襲なるか
シーズン後半戦の開幕となったベルギーGP、オランダGPをマックス・フェルスタッペン(レッドブル)が連勝。ベルギーGPでは14番手グリッドから逆転優勝、オランダGP ではバーチャルセーフティカーにも助けられメルセデス勢の1ストップ戦略を退けた。
フェルスタッペンはフランスGPから4連勝中でもあり、今週のイタリアGPも当然フェルスタッペンを中心に展開される。ライバルとしてはなんとかこの快進撃を止めたいところだが、勝機をどこに見つけることができるのだろうか。
フェラーリが逆転の1番の候補となるが、ベルギーGP、オランダGPの結果をふまえて、本拠地というべきモンツァでどんな戦いを見せるのか興味深い。ここは負けられないところだろう。
注目は速さを取り戻してきたメルセデス。オランダGPではあわや優勝かと思わせる場面もあった。運に見放されて惜敗を喫したが、レッドブル、フェラーリを脅かす存在になってきたのは間違いない。
■2022年F1ドライバーズランキング(第15戦終了時)
1位 M.フェルスタッペン(レッドブル)310
2位 C.ルクレール(フェラーリ)201
3位 S.ペレス(レッドブル)201
4位 G.ラッセル(メルセデス)188
5位 C.サインツ(フェラーリ)175
6位 L.ハミルトン(メルセデス)158
■2022年F1コンストラクターズランキング(第15戦終了時)
1位 レッドブル 5112位 フェラーリ 376
3位 メルセデス 316
4位 アルピーヌ・ルノー125
5位 マクラーレン・メルセデス 101
6位 アルファロメオ・フェラーリ 51
7位 ハース・フェラーリ 34
8位 アルファタウリ・レッドブル 29
超高速で意外とオーバーテイクは難しい
では、イタリアGPが開催されるモンツァ(Autodromo Nazionale di Monza)はどんなサーキットなのだろうか。
ミラノ郊外にあるモンツァ・サーキットは1922年に完成したクラシックコース。当初は5.5kmのロードコースと4.5kmのオーバルコースをホームストレートで交互に入れ替えて走行する全長10kmのコースだった。
しかし超高速コースで死亡事故が多発、1939年、1955年、1962年をはじめとした幾度ものコース改修変更を経て、現在は4本のストレートをコーナーでつないだ5.793kmのシンプルなレイアウトに落ち着いている。開業当初のコースの名残は、広く長いホームストレートや高速コーナーに見ることができる。(オーバルコースのバンク部分はいまも歴史遺産として保存されている)。
コースの特徴は、最高速、平均速度とも今シーズンのF1の中で最も速いことで表される。最終コーナーのパラボリカを200km/hで駆け抜けた後、1.12kmにおよぶホームストレートで370km/hに達する。平均速度250km/hに迫る超高速コースだ。
コース形態は典型的なストップ・アンド・ゴー。3つのシケインが設けられてはいるが、地形は平坦で、長いストレートからのフルブレーキング、立ち上がってフル加速という繰り返しで、意外とオーバーテイクは難しい。
このサーキットでのポイントは当然パワーとなるが、ダウンフォースを極限まで削ったウイングを装着してトップスピードを稼ぐためブレーキやタイヤへの負荷も大きく、シケインも重要となってくるからやっかいだ。実際シケインが最大のオーバーテイクポイントで、ダウンフォースの小さなマシンで確実にトラクションをかけて走り抜く必要がある。
超高速コースであるため、他車のトゥをいかに使うか、他車にトゥを使わせないかもポイントで、タイヤやブレーキの冷え過ぎにも注意しなければならない。