パトカーや消防車などの緊急自動車は、法令で定められた特別な自動車なので赤信号の交差点をそのまま進める、というのは知っている人が多いと思う。一方で、最高速度の規定や一時停止の有無についてはご存知だろうか。また、緊急自動車が来た時にどう道を譲ったら良いか覚えているだろうか。今回はそんなはたらくクルマ「緊急自動車」について深掘りしてご紹介しよう。

緊急自動車の条件はサイレン・警光灯と…

緊急自動車は市民生活を守るために特殊な任務を遂行するクルマのことで、法令によってさまざまな条件を定められている。

  1. 公共・公益的な機関の自動車で
  2. 公安委員会の指定を受け、または届出をしているもので
  3. それぞれの緊急用務を遂行する目的で
  4. 基準に適合するサイレンを鳴らし、かつ、赤色灯をつけて
  5. 運転中のもの

という5つの条件をクリアしないと、緊急自動車には当てはまらない。

さらに、車両の規定として、警光灯・サイレンを装備する義務があり、ボディカラーにも制約が課されている。具体的には、

  1. 赤色警光灯(例:パトランプ)
  2. 警光灯は、クルマの前方300mから点いているか確認できること。
  3. サイレンは、クルマの前方20mの距離で90デシベル以上120デシベル以下の音量であること
  4. ボディカラーは、消防車は朱色、救急車は白色、その他は制限なし

となっている

画像: 救急車のボディカラーが白いのは、法令で規定されているため。赤色灯とサイレンの吹鳴中のみ緊急自動車になる

救急車のボディカラーが白いのは、法令で規定されているため。赤色灯とサイレンの吹鳴中のみ緊急自動車になる

緊急自動車には優先通行権がある

また、緊急自動車は市民の生活を守るための任務に従事中の車両なので、他の車両に優先して通行できる特権が付与されている。

1. 右側部分の通行
2. 一時停止義務の免除(注意して徐行する義務はあり)
3. 通行禁止道路の通行
4. 車両通行帯に従わない通行
5. 指定横断禁止等に従わない通行
6. 追越し禁止場所での追越し特例
7. 車両の右左折方法に従わない通行
8. 指定通行区分に従わない通行
9. 横断歩道接近時の減速義務免除
10. 最高速度の特例
一般道時速80km・高速道路:時速100km

迅速に現場に急行するために、一時停止・最高速度の規制が緩和されている

緊急車両には踏切や一時停止標識がある場所等での一時停止義務が免除されており、安全確認を行えば徐行のまま通過できる。また、最高速度に関して、高速道路での最高速度は一般車と同じ時速100kmだが、一般道では速度上限が引き上げられ、時速80kmまで出して良いことになっている。

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