ピットミスから余裕の逆転、フェルスタッペンが13勝目
タイヤ交換時の大幅なタイムロスも、2年連続タイトルを決めたばかりのフェルスタッペンには関係なかった。
レッドブルのフェルスタッペンはレース前半から絶好調。2番グリッドから好スタートであっさり首位を奪うと、最大のライバルと目されていたポールシッターのカルロス・サインツ(フェラーリ)がジョージ・ラッセル(メルセデス)に追突されて脱落したこともあって独走体制を築き上げた。
その後、2度のセーフティカーでリードはその都度削られたが、首位を脅かされることはなく、このまま楽勝かと思われた矢先、36周目の2回目のタイヤ交換で思わぬハプニングがフェルスタッペンを襲う。レッドブルのピットクルーがホイールガンのトラブルで左フロントの装着に手間取り、ハミルトンとルクレールに先行されてしまったのだ。
しかし、ここからが王者の真骨頂だった。新品のソフトタイヤに熱が入ると、まず39周目にルクレールをパス。さらにペースを上げ、一時は7秒以上あったハミルトンとの差を1周0.5秒ずつ削り取り、50周目についに首位奪回。その後は差を広げてフィニッシュへ飛び込んだ。
この瞬間、レッドブルのコンストラクターズ選手権制覇が確定し、シーズン13勝目を挙げたフェルスタッペン自身はミハエル・シューマッハの最多記録に並ぶをこととなった。
クルマを降りたフェルスタッペンは「最初は順調だったけど、ピットで時間がかかってバトルを強いられることになった。タフなレースだったけど、最後まで攻めることができた。コンストラクターズ選手権を決められて嬉しい。すべては(ディートリヒ・)マテシッツが支えてくれたおかげ。追悼レースでいい結果を残せてよかった」と、前日に逝去したチーム創設者に勝利を捧げた。
タイヤを供給するピレリは「今日のレースでは気温の上昇に加えて2回のセーフティカー導入がタイヤのデグラデーション抑制に繋がりました。戦略が鍵となる中、ハミルトンがフェルスタッペンに対してアンダーカットを挑み、両者間で緊迫した闘いが繰り広げられました。また、それ以前には、フェルスタッペンとフェラーリのシャルル・ルクレールによる見応えのあるファイトも見られました。ハミルトンとフェルスタッペンは異なるコンパウンドを装着してファイナルスティントを走行したことでレースはおもしろいものとなりました。ハードタイヤでスタートしたドミスでライバー中の最上位は、13番グリッドからスタートしたハースのケビン・マグヌッセンでした。マグヌッセンはただひとり1ストップ戦略を採りポイントを獲得しています。メルセデスのジョージ・ラッセルは唯一の3ストッパーとなりましたが、これは残り2周時点でソフトタイヤに交換し、ファステストラップポイントを狙ったものでした」と分析している。
次戦第20戦メキシコGPは10月28日〜30日、首都メキシコシティのエルマノス・ロドリゲス・サーキットで開催される。
2022年 F1第19戦アメリカGP 決勝 結果
1位 1 M.フェルスタッペン(レッドブル)56周
2位 44 L.ハミルトン(メルセデス)+5.023s
3位 16 C.ルクレール(フェラーリ)+7.501s
4位 11 S.ペレス(レッドブル)+8.291s
5位 63 G.ラッセル(メルセデス) +44.815s
6位 4 L.ノリス(マクラーレン・メルセデス)+53.785s
7位 5 S.ヴェッテル(アストンマーティン・メルセデス)+65.354s
8位 20 K.マグヌッセン(ハース・フェラーリ)+65.384s
9位 22 角田裕毅(アルファタウリ・レッドブル )+70.919s
10位 31 E .オコン(アルピーヌ・ルノー)+72.875s
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13位 10 P.ガスリー(アルファタウリ・レッドブル)+81.763s
ファステストラップ: 63 G.ラッセル(メルセデス) 1:38.788
2022年 F1ドライバーズランキング(第19戦終了時)
1位 M.フェルスタッペン(レッドブル)391
2位 C.ルクレール(フェラーリ)267
3位 S.ペレス(レッドブル)265
4位 G.ラッセル(メルセデス)218
5位 C.サインツ(フェラーリ)202
6位 L.ハミルトン(メルセデス)198
2022年 F1コンストラクターズランキング(第19戦終了時)
1位 レッドブル 656
2位 フェラーリ 469
3位 メルセデス 416
4位 アルピーヌ・ルノー 144
5位 マクラーレン・メルセデス 138