「シンプルさ、透明性、持続可能性」をテーマとした2台のワンオフ カー
ポール・スミス(Paul Smith)氏といえば、英国を代表するファッションデザイナーだ。彼とMINIとのコラボ歴は長く、クラシック(オリジナル)MINIには彼とコラボした限定車も日本に導入されていた。そんなスミス氏とBMWがコラボして生まれた、2台の新旧MINI 電気自動車(EV)が日本でもお披露目された。
1台は、「MINI リチャージド(Recharged)」。1998年に登場した限定車「ポール・スミス エディション」をベースに、エンジンの代わりに90kWを発生する電気モーターを搭載したEVだ。1回の充電で約100マイル(約160km)の走行が可能だ。しかも、このMINI リチャージドは、電気モーターをはずして再び内燃エンジンを搭載して走らせることもできるという。内装にはプラスティックやレザーは使用せず、再生繊維を使ったシート地や、再生ゴムを使ったフロアマットなどを採用している。
もう1台は、「MINI ストリップ(Strip)」。現行(モダン)MINIにラインナップされている100%電気自動車のMINI クーパーSE(日本には未導入)をベースに、ポール・スミス氏とのコラボで生まれたワンオフ カーだ。ボディは無塗装の亜鉛メッキ鋼板に透明なラッカーを塗っただけ。インテリアのトリムはほとんど省略され、再生プラスティックや再生アクリルガラスなど、リサイクル可能または再生可能な原材料を選び、必要不可欠な要素のみを使って再構築している。
もちろん、2台とも市販を前提としたモデルではないが、「シンプルさ、透明性、持続可能性」をテーマとした2台のワンオフ 電気自動車は、ポール・スミス氏らしい、これからのクルマのあり方を示唆しているようだ。
モダン MINIも、2023年には登場するといわれている第4世代からは、フルEV化するとアナウンスされている。あちこちでスクープ画像はリークされているが、まずはMINIらしさが失われていないことを願いたいものだ。