クロスオーバー風の「ファンクロス」が約4分の1を占める
ダイハツの軽スーパーハイトワゴン、タントは今回のマイナーチェンジのポイントは、大きく2つ挙げられる。まず、カスタム系のフロントまわりを一新し、立体感を強調して、より上質で迫力のあるスタイルに進化させた。もう1点は、クロスオーバーテイストの新しいバリエーション、タント「ファンクロス」を設定したことだ。
この効果により、発表から1カ月で受注台数は約5万台と月間販売目標台数(1万2500台)の4倍に達したという。タイプ別に見ると、やはりカスタムの人気が強く約55%、続いて新バリエーションのファンクロスが約25%、標準モデルのタントが約20%となっている。この比率は、標準モデルの外観に変更がなかったことや、カスタムやファンクロスはいわゆる「新車効果」もあるのだが、メーカーとしてはほぼ予想された数値のようだ。
ちなみに、主な好評点は、以下のように挙げられている。
・上質で迫力のある「カスタム」のデザイン
・アクティブでタフさのある「ファンクロス」のデザイン
・上下2段調節式デッキボードをはじめとした荷室の使い勝手の良さ(特にファンクロス)
・ミラクルオープンドアと使い勝手の良い広い室内空間
・DNGA由来の高い基本性能
タント シリーズの購入層は幅広いのだが、標準車では子育てから子離れ・シニア世代が中心、カスタムでは男性(若年層も含め幅広い世代)、そしてファンクロスは男性で新しいユーザーが多いという。
いまや軽乗用車全体の4割以上を占めるスーパーハイトワゴンは、標準モデルとカスタム系に加えて、ファンクロスのようなアウトドア系の新たなモデルが人気を集めている。スズキではスペーシア ギアやスペーシアBASEが人気を集めているし、三菱も2023年初夏にはデリカミニを発売する予定だ。
ただし、どのメーカーも世界的な半導体不足やコロナ感染拡大等の複合的な要因に伴う部品供給不足により、納車は遅れ気味だ。各メーカーはこうした遅れを見越して、ティーザーも含めて早めにニューモデルの情報を公開する傾向にある。軽スーパーハイトワゴンに限らず、新車購入を検討しているなら、納車までには余裕を持った購入計画を考えておいたほうがいいだろう。