2022年11月21日、マクラーレン オートモーティブは同社のスーパースポーツカー「マクラーレン セナ(McLaren Senna)」が、ブラジルのアウトドローモ ホセ・カルロス・パーチェ サーキット(通称インテルラゴスサーキット)で、公道走行可能なプロダクションカーとして最速タイムを記録したと発表した。

従来の最速タイムを大幅に更新

マクラーレン セナは、2018年にジュネーブ モーターショーで発表された。限定500台で、マクラーレン オートモーティブが現在までに生産したモデルの中でも、公道走行可能な究極のモデルとされている。車名の「セナ」とは、もちろんマクラーレンのF1マシンを駆って数多くの勝利を重ねた天才レーシングドライバー、アイルトン・セナの名にちなんでいる。

4LのV8ツインターボエンジンは最高出力800psと最大トルク800Nmを発生し、0→100km/h加速は2.8秒、0→200km/h加速は6.8秒、0→300km/h加速は18.8秒、そして最高速は335km/hというスーパーパフォーマンスを誇る。前後のアクティブ エアロダイナミクスによって、最大で800kgのダウンフォースを発生。また、先進的なレースアクティブ シャシ コントロールII(RCC II)サスペンションも装備している。

画像: 2022年もF1ブラジルGPが開催された、インテルラゴス サーキット。

2022年もF1ブラジルGPが開催された、インテルラゴス サーキット。

今回、タイムアタックを行われたインテルラゴスは、2022年11月13日にF1ブラジルGPの決勝が行われたサーキットだ。1周4.309km(2.677マイル)のコースには、15のコーナーがある。ブラジルのマクラーレン輸入代理店が主催したイベント「UK モーターズ アカデミー ポルト セグーロス」で、ブラジル人レーシングドライバーのリカルド・マウリシオがタイムアタックに挑む。

ピットを出ると1周でマシンの限界を見極め、次のラップで1分41秒422を記録。これは、公道走行可能なプロダクションカーとしての最速タイムを1.6秒短縮している。その後も、ピットストップを挟みながら計測を6回行い、そのたびにタイムを縮めていき、ついに1分37秒856を記録してベストタイムを更新した。

ピットアウトおよびピットインするラップを含め、合計25周を走行したマウリシオは「衝撃的でした! エキサイティングなドライビングができると聞いてはいましたが、そのとおりだとコース上で証明されました。とてもパワフルで、トルクと加速も非常に強力です」と、興奮して語ったという。

今回、マウリシオがドライブしたマクラーレン セナは、UKモーターズがブラジルへ公式に輸入した4台のうちの1台で、完全にオリジナルコンディションのものだ。また、公式タイムの計測を行ったのは、タイムキーパーとしてブラジル屈指の経験と評価を誇るレーシング クロノのチームだ。同社はこれまでも、無改造のロードカーによるインテルラゴスでの最速記録を計測してきた。

画像: インテルラゴス サーキットに佇むマクラーレン セナ。その背景でトロフィーを掲げている画像は、アイルトン・セナのようだが・・・。

インテルラゴス サーキットに佇むマクラーレン セナ。その背景でトロフィーを掲げている画像は、アイルトン・セナのようだが・・・。

なお、マクラーレン セナは、アメリカの複数のサーキットで、さまざまな自動車雑誌のドライバーによって、プロダクションカーの最速タイムを更新してきた。主なものを紹介しておこう。

●NCM モータースポーツパーク グランドコース:2分02秒86
●NCM ウエストサーキット:1分23秒24
●バージニア インターナショナル レースウエイ:2分34秒9
●ウエザーテック レースウエイ ラグナセカ:1分27秒62

ちなみに、インテルラゴスのコースレコードは、2018年のF1ブラジルGPでバルテリ・ボッタスが駆ったメルセデスAMG(F1マシン)による1分10秒540となっている。

マクラーレン セナ 主要諸元

●全長×全幅×全高:4744×2153(ミラー含む)×1195mm
●ホイールベース:2670mm
●乾燥重量:1198kg
●エンジン種類:90度V8 DOHCツインターボ
●排気量:3994cc
●最高出力:800ps/7250rpm
●最大トルク:800Nm/5500-6700rpm
●駆動方式:縦置きミッドシップRWD
●トランスミッション:7速DCT
●タイヤサイズ:前245/35R19、後315/30R20
●発売当時の車両価格:67万5000ポンド(当時のレートで約1億円)

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