史上最速「Gen3」が登場!
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2022年までのGen2に比べ全体的に小型化されたGen3。パワーや回生能力が向上したにも関わらず、ドライバーを含む最小重量は脅威の840kg。
シリーズ初年度の2014年にはGen1(Generation1)、2018年からはGen2と進化を重ねてきたフォーミュラEだが、9シーズン目となる2023年からは史上最速を謳った新型Gen3でレースが行われる。
戦闘機のエアロダイナミクスにインスピレーションを得てデザインされ、先代となるGen2から外見が大きく変化した。Gen3の設計に際してFIA、フォーミュラEのエンジニアなど開発陣は「高速のストリートサーキットでのホイール・トゥ・ホイールに特化」したマシンを目指し高性能、高効率、サステナビリティを追求し、Gen3を生み出した。
Gen2に比べ、全長は183.8mm短く、車高は40.1mm低く、全幅は100mm狭く、ホイールベースも129.5mm短くなった。これにより最小重量も60kg軽く、全体的に小型化された。それでいて現行Gen2の2倍以上の回生能力を実現する。
最高出力はGen2の250kW(約340ps)から350kW(約476ps)へ引き上げられ、これにより最高速はこれまでの280km/hから322km/hにアップ。同カテゴリー初の320km/hという大台に乗った。
さらに、これまでパワートレーンはリアにのみ搭載されたRWDとしていたが、Gen3は前後2基のパワートレーンを搭載することで、最大回生電力は250kWから600kWに向上している。これはつまり、回生ブレーキによる減速力を飛躍的に向上させたことになり、リアに油圧ブレーキを搭載しないという。
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パワーだけではなく回生能力もGen2から格段に進化したことにより、油圧ブレーキ不要という驚きのマシンが生まれた。
市街地を中心に行われるフォーミュラEだが、これまで以上のスピード感でバトルが繰り広げられることが予想される。この連載ではレギュレーションや新たに加わる魅力的な開催地、そしてドライバーなど新しくなるフォーミュラEを紹介する。