瀬戸内の絶景と美食に酔いしれるひと時
穏やかな海と緑豊かな島々、そしてゆっくりと行き交う船の姿・・・。瀬戸内の眺めにはいつも心が癒される。陽光を受けてキラキラと輝く海や夕陽に染まるひと時など、移ろいゆく表情もまた豊かで美しい。
とくに広島の尾道周辺は島々の密度が高く、本州側からその「しまなみ」の多島美を望むことができるのだが、食を楽しみ、寛ぎながらこの景色を堪能できるとっておきの場所がある。福山と尾道の間、常石地区近くの丘の上に建つ「ベラビスタ スパ&マリーナ 尾道」だ。
もとは造船会社の迎賓館で、リニューアルを経てマリーナを併設するラグジュアリーリゾートとして国内外のゲストを迎え入れている。客室はすべてオーシャンビューだ。約153平方メートルの広さを誇る「ザ・ベラビスタメゾネット スパ スイート」からスタンダードながら50平方メートルの広さ持つ「ラグジュアリー」まで、さまざまなタイプが揃う。
サービスや設備から感じる瀬戸内ブランド
眺望に優れるのは客室だけではない。ロビーから瀬戸内海へとつながるかのように廊下が伸び、ラスティックな雰囲気に溢れた「ザ・ラウンジ」を抜けると美しい水盤とファイヤーピットを備えた、リゾートのシンボル「ザ・デッキ」が現れる。眼前に絶景が開け、思わず手を広げたくなる爽快な空間だ。
さらには、プールはエッジオフのインフィニティ仕様で、穏やかな海と繋がるかのように楽しめるし、展望風呂の眺望も抜群。朝に夕に夜に・・・と入りたくなる心地よさに溢れる。そう、そこかしこで瀬戸内の景色と一体化するかのような体験が待ち受けているのだ。
しかも、景色だけではない。「瀬戸内キロメートル・ゼロ」をコンセプトに掲げ、広島の山海の幸をはじめ、地元のデニム素材を使った調度品など、地域の産業や文化を取り入れており、洗練さをもってこの地らしさを随所で表現している。
一番それを感じるのは食事かもしれない。瀬戸内海を望めるカウンター席のみの「鮨 双忘」、季節の旬を味わえる「瀬戸内 双忘」、そして薪火を使いダイナミックに調理する「メインダイニング エレテギア」があり、いずれも地域の旬の食材を美味しくいただくことができる。
とくにエレテギアでの食事は格別だ。キッチンの中でいただくかのようなカウンターテーブル席もあれば、壁面をガラスで構成し、まるで屋外の屋根の下で食べているようなダイニングも備わる。とてもスタイリッシュなのだ。
聞けば、木材を使った独創的な建築で知られる建築家である中村拓志氏の設計だそう。「ザ・デッキ」をはじめ敷地内にある名建築物「リボンチャペル」も同氏によるものだ。食事や寛ぎの時間を瀬戸内の自然、そして建築家による空間美の中で味わえるのはここだけの贅沢である。
「ベラビスタ」とはイタリア語で「美しい眺め」という意味だという。この眺め、まさにその名のとおり。しかも洗練されたサービスや居心地のよい設えがその眺めをさらに特別なものにしている。