久しぶりにカーチェイスを楽しめるアクション映画が、韓国からやって来た。そんな「パーフェクト・ドライバー/成功確率100%の女」について、映画評論家の永田よしのり氏に解説してもらおう。(Ⓒ2022 NEXT ENTERTAINMENT WORLD & M PICTURES. All Rights Reserved.)

天才的ドライビングテクニックを持つ女性ドライバー

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世間的に問題のある荷物「理由(わけ)あり配送物」を、多額の報酬を受けて秘密裏に届ける特殊配送会社=特送が釜山にあった。そこにどんなクルマでも手足のごとく操り、カーチェイスもお手のもの、天才的ドライビングテクニックで仕事をこなす孤独な女性ドライバー、ウナがいた。

そんな彼女の元に、海外逃亡を望む野球賭博犯とその息子を海外脱出先の港まで運ぶ仕事が舞い込む。だが待ち合わせ場所にやって来たのは息子一人と、息子を追う違法賭博の元締め一味。ウナは予定と違う配送物を引き受けて逃げるべきか悩む。そしてそこから生き延びるためウナの中で何かのスイッチが入り、賭博元締め一派とのチェイスが始まることに・・・。

例えば、こうした配送ドライバーを主人公にしたアクション映画には「TAXI」シリーズや「トランスポーター」シリーズなどが過去に大ヒットを飛ばしている。それらには主人公が必ず愛車を1台所有しており、劇中をそのクルマが疾走するのがお約束のひとつ。観客は主人公のキャラクターとともに活躍する愛車にも注目する、というのが定番の作り。

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だが、本作品の主人公であるウナが運転するのは、自分の愛車という設定ではない。おそらく目の前にあるクルマならば何でも運転して窮地を脱していく。新車だろうが中古車だろうが盗難車だろうが、おかまいなし。ウナは仕事上で目立つのを避けるために、あえて一般車を使うという設定もあるのだろう。

韓国第2の都市である釜山で廃車産業としての顔を持つ特送会社=ペッカン産業に持ち込まれる廃車たちも、いかにも使い古された車種ばかりのようで、それは現在の釜山が歯止めの効かない人口減や、経済が沈滞してきている様子と同時にうかがい知ることができる。本作で描かれるのはド派手なカーアクション シーンばかりのエンタメ映画ではなく、現在の韓国事情の一端も見せる社会派のアクション ドラマでもあるのだ。

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