充電インフラが決して充実しているとは言えない日本では、大容量バッテリーを搭載して長い航距距離を実現するのもひとつの解だ。(Motor Magazine2023年2月号より)

RWDモデルの一充電航続距離は700km

画像: 機能が大型ディスプレイに集約され物理スイッチがない。これは音声操作が優秀だからできることだ。

機能が大型ディスプレイに集約され物理スイッチがない。これは音声操作が優秀だからできることだ。

Sクラスは、最高級の静粛性や乗り心地、そしてラグジュアリーさを誇り、メルセデスのフラッグシップに相応しいクルマである。その BEV 版が EQS で専用アーキテクチャーを採用し、大容量バッテリーの搭載、先進の安全性、BEV にとって大きな課題となる軽量化も実現した。

BEV は、騒音や振動の源となるエンジンがないことで、車内では風切り音やタイヤの走行音など、これまでエンジン車とは違う部分が気になるのだが、そこはさすがメルセデス、そうしたことを一切遮断し、室内はとても静粛、そしてリラックスできる空間になっている。

ラインナップは、リアにモーターを搭載した RWDでシステム最高出力245kW(333ps)、システム最大トルク 568Nmの450+と、フロントとリアにそれぞれモーターを搭載し、システム最高出力484kW(658ps)、システム最大トルク950Nm を発生する 4WDのAMG53 4マティックである。一充電時における航続距離は WLTCモードで前者が700km、後者が601km となる。

EQS が搭載する駆動用のリチウムイオンバッテリーの容量は、107.8kW とかなり大きい。つまり満充電までには、それなりに時間が必要(10→80% までは、150kW の 急 速 充 電 で 約 48 分、 90kW の急速充電では約 55 分、50kWの急速充電で約110分)だが、それでも一度充電してしまえばこれだけの距離が走れるということはかなり魅力である。 1 日で 700kmも一気に走ってしまう人はそれほど多くないからだ。

興味深いのは、標準装備されるマルチコントロールシートバックパッケージでドライバーや助手席に座る人を快適にする機能である。これはシートに内蔵されたエアチャンバーが座る人の体格に合わせてシートの形状が変化するというもの。マッサージ機能も装備され、長距離ドライブに出かけたくなる BEV である。(文:Motor Magazine編集部 千葉知充/写真:井上雅行)

画像: リアのデザインも曲線で構成される。LEDリアコンビランプは3Dの特徴的なデザインとなっている。

リアのデザインも曲線で構成される。LEDリアコンビランプは3Dの特徴的なデザインとなっている。

メルセデスEQ EQS450+主要諸元

●全長×全幅×全高:5225×1925×1520mm
●ホイールベース:3210mm
●車両重量:2530kg
●モーター:交流同期電動機
●モーター最高出力:245kW(333ps)
●モーター最大トルク:568Nm
●バッテリー総電力量:107.8kWh
●WLTCモード航続距離:700km
●駆動方式:RWD
●タイヤサイズ:265/40R21
●車両価格(税込):1578万円

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