波乱の予選を制したエバンスがポールポジションを獲得
開幕戦のメキシコシティ、第2戦と第3戦が行われたデルイーヤとキャラクターが異なるサーキットにも関わらず、開幕3戦で他を圧倒したポルシェ勢。第4戦は初開催のインド・ハイデラバードで行われる。
この第4戦から初開催のレースが続くため、全チームにとってチャレンジングな戦いとなる。とはいえ、これまでサーキット特性を選ばない強さを誇るポルシェが、この初開催の地ハイデラバードでも強さをみせつけるのかに注目が集まった。
決勝前の予選でポールポジションを獲得したのはミッチ・エバンス(ジャガー)。グループA組で2番手タイムを記録したエバンスだったが、トップタイムをマークしたジェイク・ヒューズ(マクラーレン)がピットストップの最低滞在時間を守らなかったとしてタイム抹消を受け、エバンスが繰り上がりでグループAトップでクォーターファイナルに進出した。
予選ファイナルでは、ジャン-エリック・ベルニュ(DS)との一騎打ちに臨み、0.021秒差でエバンスがポールポジションを獲得した。今シーズン初のポールポジションを獲得したエバンス。インドの自動車メーカーであるタタ・モーターズの傘下であるジャガーにとって、お膝元と言える場所でのポールポジション獲得となった。
ベルニュが巧みなドライビングで今季初優勝!
32周で行われたハイデラバードE-Prix決勝。スタートではポールポジションのエバンスがトップをキープしたまま1コーナーへ向かう中、2番手スタートのベルニュもポジションを守り2位でエバンスを追う。
7周目にトップのエバンスがアタックモードに入るも、3位セバスチャン・ブエミ(エンビジョン・レーシング)に抜かれたベルニュは10周目にアタックモードに入り、エバンスをパスし2番手でコースに復帰する。13周目にまさかのジャガーの同士討ちが発生する中、アタックモードのエキストラパワーを使ったベルニュがブエミをパスしトップに浮上。
しかしそんなベルニュに待ったをかけたのがポジションを上げてきたニック・キャシディ(エンビジョン・レーシング)。2台は優勝をかけ激しいバトルを繰り広げていくが、24周目にヒューズ(マクラーレン)がクラッシュを喫してしまい、セーフティカーが導入された。
26周目にレースが再開。セーフティカー導入により1周追加され、レースは33周で行われることになった。SCが入ったことにより各車タイム差がない状態となり、トップ争いも激化。しかも2位のキャシディはトップのベルニュや他もマシンに対して電池残量を多く残しており、優勝に向けてさらに激しく攻めていく。
しかしそんな絶望的な状況でもバッテリーをセーブしつつ、巧みなブロックでキャシディを押さえ込んだベルニュが見事トップチェッカーを受け、今シーズン初優勝を挙げた。2位には悔しいレースとなったキャシディ、3位にはブエミが入ったが、オーバーパワーと判定され降格。4位だったアントニオ・フェリックス・ダ・コスタ(ポルシェ)が繰り上げで3位を獲得している。
2023 フォーミュラE 第4戦 ハイデラバードE-Prix 決勝結果
1位 25 ジャン-エリック・ベルニュ(DS)46:1:099
2位 37 ニック・キャシディ(エンビジョン・レーシング)+0:00:400
3位 13 アントニオ・フェリックス・ダ・コスタ(ポルシェ)+0:01:850
4位 94 パスカル・ウェーレイン(ポルシェ)+0:02:855
5位 3 セルジオ・セッテ・カマラ(NIO)+0:03:523
6位 8 オリバー・ローランド(マヒンドラ)+0:07:138
7位 17 ノーマン・ナトー(日産)+0:07:318
8位 1 ストフェル・バンドーン(DS)+0:07:564
9位 36 アンドレ・ロッテラー(アンドレッティ)+0:08:703
10位 48 エドアルド・モルタラ(マセラティ)+0:09:073
2023年ドライバーズランキング(第4戦終了時点)
1位 94 パスカル・ウェーレイン(ポルシェ)80
2位 27 ジェイク・デニス(アンドレッティ)62
3位 25 ジャン-エリック・ベルニュ(DS)31
4位 16 セバスチャン・ブエミ(エンビジョン・レーシング)31
5位 37 ニック・キャシディ(エンビジョン・レーシング)28
6位 10 サム・バード(ジャガー)28
7位 5 ジェイク・ヒューズ(マクラーレン)27
8位 58 レネ・ラスト(マクラーレン)26
9位 13 アントニオ・フェリックス・ダ・コスタ(ポルシェ)21
10位 11 ルーカス・ディ・グラッシ(マヒンドラ・レーシング)18
2023年 チームランキング(第4戦終了時点)
1位:ポルシェ 101
2位:アンドレッティ 78
3位: エンビジョン・レーシング 59
4位:Nマクラーレン 53
5位:ジャガーTCSレーシング 42
6位:DS 36
7位:マヒンドラ・レーシング 26
8位:NIO 11
9位:日産 11
10位:マセラティ 3