スタートでのポジションダウン、ピットでのタイムロスが痛かった
スクーデリア・アルファタウリの角田裕毅は、2023年、F1での3年目のシーズンを迎える。ルーキーイヤーの2021年は32ポイントでドライバーズランキング14位、昨年2022年は12ポイントで17位に終わっている。
3年目の今シーズンは角田にとって重要な1年となるが、ピエール・ガスリーがルノーに移籍して、かわってニック・デフリースが加入、先輩ドライバー、エースドライバーとして、まずチームメイトに負けるわけにはいかないところだ。
チームも正念場を迎えている。同じホンダ・レッドブルパワトレインズのパワーユニットを搭載するにもかかわらず、昨年はレッドブルがコンストラクターズタイトルを獲得したのに対して、アルファタウリは10チーム中9位に低迷してしまったからだ。
ちなみにチームメイトのニック・デフリースは昨年スペインGPでアルボンの代役としてウイリアムズからF1参戦。1戦のみのエントリーだったが、いきなり入賞を果たす衝撃的なデビューを飾り、このシーズンオフには各チームの間で争奪戦が繰り広げられた。角田にとっては、頼もしいがライバルとして手強いドライバーでもある。
3ストップ×ソフトタイヤのチョイスは間違っていなかった
こうして迎えた開幕戦バーレーンGP。フリー走行、予選では2023年型ニューマシンAT04のトラクション不足、パフォーマンス不足に苦しめられたところも見受けられたが、それでもフリー走行から予選まですべてのセッションでチームメイトを上回ってみせた。
予選ではQ1を突破して14番グリッドを獲得。決勝ではスタートの接近戦の中で一時順位を落とすがそれでも中団のポイント獲得が狙えるポジションで走行、終盤の40周目にバーチャルセーフティカー(VSC)が出たタイミングで思い切って3回目のタイヤ交換を行いソフトタイヤを装着する。
レース再開時、ピットインの際の予定外のタイムロスもあってポジションを失っていたものの、最終盤にはフレッシュなソフトタイヤで再びポイント獲得が狙える11位まで挽回してきた。
しかし、角田のポジションアップもそこまで。結局アルボンを捉えることはできず、10位と1.096秒差の11位となった。ちなみにチームメイトのデフリースはVSC時にタイヤ交換を行わず14位に終わっており、角田の3ストップの作戦は間違いではなかった。
次戦第2戦サウジアラビアGP(3月17日〜19日)までにどこまでマシンのパフォーマンスを上げてくるか、注目したい。
角田裕毅(アルファタウリ・レッドブル)予選14位 / 決勝11位
「レースペースは予想以上によかったのですが、同時にポイントを逃したことがとても悔しいです。スタートが決定的でした。ウィリアムズにポジションを奪われた上に、彼らの直線スピードが強すぎて、オーバーテイクすることができませんでした。思った以上に苦戦しましたが、タイヤマネージメントには満足しています。ただ、プッシュしようと思った途端にタイヤがオーバーヒートしてしまい、スライドしてリアのコントロールを失ってしまいました。サウジアラビアを皮切りに、中団との戦いにコンスタントに勝てるようにするために、もっとマシンを改良していかなければなりません。高速性能で苦労しているので、サウジアラビアでは難しいかもしれませんが、チームも自分もマシンのスピードを発揮してポイントを獲得できると思うので、前向きに考えています」
2023年F1開幕戦バーレーンGP決勝
1位 1 M.フェルスタッペン(レッドブル)57周
2位 11 S.ペレス(レッドブル) +11.987s
3位 14 F.アロンソ(アストンマーティン・メルセデス)+38.637s
4位 55 C.サインツ(フェラーリ) +48.052s
5位 44 L.ハミルトン(メルセデス) +50.977s
6位 18 L.ストロール(アストンマーティン・メルセデス) +54.502s
7位 63 G.ラッセル(メルセデス) +55.873s
8位 77 V.ボッタス(アルファロメオ・フェラーリ)+72.647s
9位 10 P.ガスリー (アルピーヌ・ルノー)+73.753s
10位 23 A.アルボン(ウイリアムズ・メルセデス)+89.774s
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11位 22 角田裕毅(アルファタウリ・レッドブル)+90.870s
14位 21 N.デフリース(アルファタウリ・レッドブル)+1周