独・シュトゥットガルトにある「メルセデス・ベンツミュージアム」。そこで、特別企画として、50年前の1973年に開発された安全実証実験車両「ESF22」の展示が行われている。
安全性能向上へのゴールはない。つねに進化あるのみ
メルセデス・ベンツの安全性能が大きく飛躍する役目を担った安全実証実験車両「ESF(Experimental Safety Vehicles)」の1台が「ESF22」だ。1973年に製作され、50年目の節目を迎えるが、独・シュトゥットガルトにある「メルセデス・ベンツミュージアム」で、その特別展示が行われている。
メルセデス・ベンツの安全性能への取り組みははやく、1959年には安全ボディ構造の標準化などを行っているが、「ESF」は1970年代に激増する欧米諸国での交通事故を踏まえ、米・運輸省が推進した安全実証実験車両政策のもと誕生した。1971年には「ESF05」、1972年には「ESF13」が開発され、それらを引き継ぐ形で「ESF22」が登場したのだ。
「ESF22」のベースはW116型Sクラスで、その特徴はそのフロントに覆われたプラスティック製のパーツ。歩行者保護が目的だという。ちなみに、衝撃吸収ステアリングボスなどの室内の衝撃緩和システムやABS(アンチロックブレーキシステム)、ヘッドランプワイパーなどは、すでに「ESF05」および「ESF13」に備えられており、もちろん「ESF22」も同様だ。
そして、50年の歳月が流れた現在。「ESF」は2019年に登場した「ESF2019」まで進化をみせている。あらためて、メルセデス・ベンツの安全性能への真摯な取り組みに括目せざるおえない。メルセデス・ベンツの安全性能向上の旅は未来永劫歩みを留めることはないだろう。