イタリア語で周回や周遊という意味がある「GIRO」。6回目を迎える今回のドライビングツアーは鈴鹿サーキットを出発し、琵琶湖、そして世界中のツーリストが憧れる京都、奈良という古都を巡った。(Motor Magazine 2023年4月号より)

数台毎に先導者が付き、全車にルートマップと無線機を用意

ランボルギーニオーナーが愛車とともに日本の美しいロケーションを巡るドライビングツアー「GIRO JAPAN」。今回で6回目となるこのイベントには、全国各地から台以上が参加した。

画像: 出発式の後、スタート地点の鈴鹿サーキットを後にする。ミウラのような貴重なクルマも参加した。

出発式の後、スタート地点の鈴鹿サーキットを後にする。ミウラのような貴重なクルマも参加した。

ランボルギーニ60周年を記念して鈴鹿サーキットで開催されたランボルギーニデイから始まり、琵琶湖、京都、奈良のドライブを楽しむ3日間(2月23日〜25日)のスケジュール。世界のツーリストたちが憧れる日本の古都を巡るというツアーは、60周年記念イヤーに相応しい内容だった。

初日の夜は、鈴鹿サーキットホテルから専用シャトルバスでパドックに案内された。GIROの参加者のためのホスピタリーラウンジには煌びやかな明かりが灯り、ライトアップされたコースを眺めながらアーティストのライブや花火のサプライズなど、スペシャル感あるディナーを楽しんだ。

翌朝のスタートは生憎の雨だったが、ランボルギーニたちは野太いエンジン音を轟かせ、安全祈願も込められた力強い和太鼓の演奏に見送られながら鈴鹿サーキットを出発、日本最大の湖である琵琶湖を経由して京都を目指した。

ところでGIROは数台毎に先導者が付き、全車にコマ図(ルートマップ)と無線機が用意される。無線機からは先導ドライバーによるルートガイドやイベントMCの女性が観光案内もしてくれるという手厚いホスピタリティである。このイベントは、ドライバーはもちろん助手席でも観光地を巡るドライブが楽しめるのである。

素晴らしいホスピタリティに参加者も大満足した3日間

琵琶湖でのランチ後は、次第に空も明るくなり、平安神宮の普段入ることのできない参道がゴールだった。太鼓の演奏と沿道で旗を振る人たちに迎えられながら続々と色とりどりのランボルギーニたちがゴールしていく。朱色の大鳥居のコラボレーションは参加者のみならず、そこに集まった人たちをも魅了していたに違いない。

画像: GIRO JAPAN2023のゴールとなった奈良国立博物館に並ぶ光景は圧巻。

GIRO JAPAN2023のゴールとなった奈良国立博物館に並ぶ光景は圧巻。

ガラディナー会場の国立京都国際会館は、日本初の国際会議場として建築家大谷幸夫氏の設計によって1966年に建設された。台形と逆台形の空間を組み合わせて構成される空間が特徴で、雅な京都では極めてモダンである。

デコレーションされた会場には、現代美術家IKEUCHI氏が手がけた60周年記念ウラカンを囲むようにテーブルが配置され、美味しい食事に会話も弾む素晴らしいひとときとなった。翌朝は京都ミニ散策ツアーもあり、三十三間堂や清水寺の朝散歩を楽しんだ。

最終日のゴールは、奈良国立博物館だ。国宝や重要文化財などを多く収蔵しており、仏教美術の展示は国内でもっとも充実している施設である。カラフルなランボルギーニたちを駐めた「なら仏像館」は、1894年に建てられた重要文化財。柔らかな日差しを浴びた建物は眩しいまでの存在感を放ち、それに抱かれるよう、羽を休めるように並んだランボルギーニたちの姿はイベントのフィナーレに相応しい眺めだった。

姉妹が素敵なお揃いのコーデをするご家族に話をうかがった。東京からやって来たという4人家族は、イベントの前後もドライブを楽しみながら4泊のランボルギーニ「デイズ」となったようだ。

「ウルスの納車がに間に合いそうだとわかり、これまで2人で参加していたランボルギーニのイベントに初めて家族で参加できました」とお父さんは嬉しそう。

神奈川から参加されたご夫婦は、「荷物もあまり積めないからね」とアベンタドールSVを陸送してもらったという。長くともに年を重ねていく中で、ご主人の趣味を奥さまも一緒に楽しめる方法をとったのだった。おふたりで清水寺を散策し、楽しそうにお土産選びをしていたのが印象的だった。 

ランボルギーニと言うとどうしてもアクセルペダルを積極的に踏みたくなる。しかしはGIROユルユルと充実したドライブを楽しみ、併走するクルマや沿道の人々を楽しませてくれるものだった。(文:飯田裕子/写真:アウトモビリ・ランボルギーニ・ジャパン)

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