「日産名車再生クラブ」のエンジニアが約2年にわたってレストア
この、かつて日産が製作した「ニッサン180型 消防ポンプ自動車」は、本格的な国産消防ポンプ自動車の第1号と言われている。80馬力のエンジンを搭載し、最高速度は100km/h、放水量は1700L/分を誇った。
今回の車両は、1941(昭和16)年に大田区の蒲田消防署に配置され、戦時中は空襲火災の消火活動で大きな力を発揮した。その後、1945(昭和20)年5月に高輪消防署(二本榎出張所の前身)に配置され、東京オリンピックが開催された1964(昭和39)年10月まで使用された後、高輪消防署 二本榎出張所で、広報車両の1台として展示されてきた。
今回の再生は、「走行ができなくなっている『ニッサン180型 消防ポンプ自動車』を再び走らせることができないか」という東京消防庁 企画調整部広報課からの相談を受けて日産が検討を開始。日産の社内活動で、歴代の日産車の再生に取り組む「日産名車再生クラブ」に所属する4名のエンジニアが担当した。
彼らは、当時の塗装や凹みなどは活かしつつ、走行を実現するために約2年にわたって数々の作業を行い、本モデルの再生を完了した。当初の再生目標としていた、走る、曲がる、止まるというクルマの基本性能のみならず、動かなくなっていた方向指示器やワイパー、点灯しなくなっていた赤色灯など車両全体の電気系統の再生も行った。
この車両は、2023年6月15日(木)から18日(日)に東京ビッグサイトで開催される、「東京国際消防防災展 2023」にて展示を行い、イベント初日には最後の仕上げ作業となる「ホーン取り付け」と合わせて、以下の予定でお披露目を行う。
「ニッサン180型 消防ポンプ自動車」お披露目イベント
●日時:2023年6月15日(木) 12時〜12時30分
●場所:東京国際消防防災展 2023 屋外展示場
東京ビッグサイト
東京都江東区有明3-11-1
エンジンの始動や走行シーンの上映も行われるので、「はたらくクルマ」好きの人はぜひ、足を運んでみてはいかがだろうか。レストア風景の動画は、こちらからご覧ください。