2022年4月26日、F1第4戦アゼルバイジャンGP開幕直前になって、F1委員会が新しいスプリントレースフォーマットを承認し、すぐさまアゼルバイジャンGPで実施することが決定して大混乱となっている。タイヤを供給するピレリタイヤはすぐさまこれに対応してタイヤを用意、その詳細を発表している。

4月28日開幕というのに、直前の26日になってルール変更の波紋

通常フォーマットのF1グランプリは、金曜日の午前中(あるいは午後の早い時間)にフリー走行1回目、午後にフリー走行2回目、土曜日の午前中(あるいは午後の早い時間)にフリー走行3回目を行い、土曜日の午後の予選、日曜日午後の決勝レースとつながっていく。

画像: ほぼ直線の広い道をアクセル全開で駆け抜けるバクー市街地サーキットの高速セクション。

ほぼ直線の広い道をアクセル全開で駆け抜けるバクー市街地サーキットの高速セクション。

ここで問題となるのは、午前中にスケジュールされる金曜日フリー走行1回目と土曜日フリー走行3回目の条件が、午後に行われる予選と決勝と大きく異なること。そのためしばしば午前中のセッションがあまり意味のないものとなっていた。

そこで考えられたのが一昨年から取り入れられた「スプリント」で、金曜日の午後に予選を行い、その結果をもとに土曜日の午後に「スプリント」レースを行い、その結果を決勝レースのスターティンググリッドに反映させることとした。こうすればフリー走行が重要となるというわけだ。ところが、予選後はマシンセッティングの変更ができないため、土曜日のフリー走行はますます形骸化、ドライバーやチームからの評判も悪かった。

そのため今回から導入される「新しいスプリント」レースフォーマットでは、新たなプロセスを導入する。初日の金曜日にフリー走行を行った後、決勝レースのグリッドを決める予選を実施。2日目土曜日午前中にスプリントのための予選「スプリントシュートアウト」を行い、午後にスプリントを戦うという。

つまり、金曜日に予選、日曜日に決勝レースを行い、土曜日はこれとは別に1日で予選と決勝を行う「スプリント」レースを実施するということだ。

実戦形式でのマシンセッティングが、どんな影響を及ぼすのか

スプリントのための予選「スプリントシュートアウト」は土曜日の現地時間 12:30 にスタート、12分間のQ1、10分間のQ2、8分間のQ3が行われ、ドライバーはQ1とQ2ではミディアムタイヤ、Q3ではソフトタイヤを装着する。

画像: 狭く曲がりくねったコーナーが続くバクー市街地サーキットの旧市街セクション。

狭く曲がりくねったコーナーが続くバクー市街地サーキットの旧市街セクション。

スプリントシュートアウトの結果によってスプリントのグリッドが決定され、スプリントの結果は日曜日の決勝レースのグリッドには影響しない。

スプリントシュートアウトの時間は短いので、Q2、Q3ではピットストップする余裕はなく、一発勝負となる公算が高い。 各ドライバーには、ハードタイヤを2 セット、ミディアムタイヤを4 セット、ソフトタイヤを6セット (合計12セット) が供給されるが、これは従来の週末に比べて1セット少なくなる。

ピレリタイヤはアゼルバイジャンGP開幕に向けて「昨年は2回のバーチャルセーフティ カーにより、トップ4 は2回ピットストップを行いましたが、ワンストップでも行ける状況でした。また昨年は6月に開催されたため路面温度が50度を超えましたが、4月開催の今年は気温が10 度低くなる可能性があり、最も柔らかいコンパウンドの3種類をチームに供給することにしました。フリー走行は金曜日の1回のみで、土曜日のスプリントシュートアウトとスプリントをとおして、マシンをいかに仕上げるかが問題となってくるでしょう」と分析している。

この新たなレースフォーマットはどんな結果をもたらすのだろうか。突然のレースレギュレーション変更は波乱を呼びそうだ。

画像: 昨年20222年のアゼルバイジャンGPのタイヤ戦略。スプリントではタイヤ交換の義務はない。

昨年20222年のアゼルバイジャンGPのタイヤ戦略。スプリントではタイヤ交換の義務はない。

2023年F1第4戦アゼルバイジャンGP タイムスケジュール

フリー走行1回目:4月28日13時30分〜14時30分(日本時間18時30分〜19時30分)
予選:4月28日17時〜18時(日本時間22時〜23時)
スプリント・シュートアウト:4月29日12時30分〜13時14分(日本時間17時30分〜18時14分)
スプリント(17周):4月29日17時30分〜18時(日本時間22時30分〜23時)
決勝(51周):4月30日15時〜(日本時間20時〜)

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