ポールポジション争いでまさかの事態に
開催当初はショートカットするレイアウトだったモナコePrixだが、近年は急速充電の技術の向上により、F1モナコGPと同じレイアウトでレースが行なわれるようになった。
伝統と格式のあるモナコでの第9戦は予選から波乱の展開となった。ポールポジションを争うデュエルで順位の変動があったのだ。予選を勝ち上がり、ポールポジションを争うファイナルに進出したのはジェイク・ヒューズ(マクラーレン)とサッシャ・フェネストラズ(日産)。
しかし、ヒューズはトンネルを抜けた後に待ち構えるヌーベルシケインでオーバースピードによりショートカット。止まりきれずショートカットしたため、トラックリミット違反としてタイム抹消となってしまう。一方のフェネストラズは1周をまとめ上げ、これで勝負あり。
フェネストラズと日産にとって久しぶりのポールポジションと思われたが、まさかのパワー超過によりフェネストラズもラップタイム剥奪のペナルティを受けてしまった。デュエル決勝で2台ともノータイムとなってしまうというまさかの事態となった今回の予選は、ヒューズがポールポジション、フェネストラズが2番グリッドという形で決着した。
N.キャシディがモナコ初制覇!連勝でランキング首位に浮上
29周で行なわれた決勝レースは、狭いモナコということもあり上位はグリッド順のままレースは進行していく。しかし後方では予選9位に終わったキャシディが脅威の追い上げをみせ、レース序盤で早くも表彰台圏内にまで浮上する。
優勝争いはキャシディとエバンスの一騎打ちに。フォーミュラEならではのアクティベーションゾーンを通るというレギュレーションがあるが、抜きどころがないモナコではコース上での巻き返しが難しくなる。そこでキャシディとエバンスは他車がアクティベーションゾーンに入っている隙にスパート。マージンを十分に稼いだ2台はアクティベーションゾーンに入ることによるロスタイムで順位を落とすことはなく、順位をキープする。
22周目、ダン・ティクタム(NIO)とノーマン・ナトー(日産)が接触し、スローダウンしているティクタムにマキシミリアン・ギュンター(マセラティ)が追突。このアクシデントによりSCが導入された。
25周目にレースが再開するも、ニコ・ミュラー(アプト・クプラ)がサム・バード(ジャガー)と接触し2度目のSCが出動。キャシディとエバンスの激しい優勝争いが繰り広げられていたが、2度目のSCは解除されずレースはそのまま終了。
エバンスの猛攻を防ぎ切ったキャシディが前戦ベルリンに続き連勝。そしてキャシディはパスカル・ウェーレイン(ポルシェ)を抜いてポイントリーダーに躍り出た。シーズン序盤戦、圧倒的な強さをみせていたウェーレインとポルシェだったが、シーズンが折り返した第9戦でついにポイントリーダーが入れ替わった。