新型プラットフォームは電気自動車に加え、内燃機自動車にも対応
初代メルセデス・ベンツCLAは、2013年にFFプラットフォームを採用した“ニュージェネレーション コンパクトカー”として登場し、後に追加されたシューティングブレークと合わせて世界で75万台を販売する成功作となった。現行は2019年にワールドデビューを果たした2代目で、初代と同様、CLSのイメージを反映したエレガントな姿と最新鋭の装備を纏って登場している。
CLAクラスはメルセデス・ベンツのコンパクトクラスにあって先進的な役割を果たすモデルだが、今回発表された「コンセプトCLAクラス」はその未来を示唆するスタディモデルとして注目される。
「コンセプトCLAクラス」は電動化へのシフトを想定した新しいプラットフォーム「メルセデス・ベンツ モジュラーアーキテクチャー(MMA)」を採用。このプラットフォームは電気自動車、プラグインハイブリッド、内燃機自動車に対応するだけでなく、SUVなどさまざまなボディスタイルをカバーする柔軟性も持っているのが特徴だ。
「コンセプトCLAクラス」では最高出力238psを発生するコンパクトな電動ユニットを搭載して後輪を駆動。航続距離は750kmを超え、800ボルトのバッテリー電圧に対応することで最大250kWの急速充電が可能になり、わずか15分で約400km分の充電ができるとしているが、今後はデュアルモーターのハイパフォーマンスな4WDモデル、「コンセプトCLAクラス」をベースとしたシューティングブレークやSUVモデルなどもすでに計画されている。
また、「コンセプトCLAクラス」には双方向充電機能が搭載されており、量産仕様ではV2H、V2G、V2Aに対応する。
MB.OSで駆動するフルワイドのMBUXスーパースクリーンを搭載
デザインの特徴は、1950年代から1960年代を思わせるシャークノーズとスリーポインテッドスターをモチーフにしたLEDシグネチャーグラフィック、シームレスなフロントグリル。メルセデス・ベンツの「月桂冠」も再解釈されて、新しいデザインとなっている。
インテリアにはフルワイドのMBUXスーパースクリーンを搭載。新しいメルセデス・ベンツ オペレーティングシステム (MB.OS)により、Google Mapsなどの組込みアプリをサポートして新しいレベルの車載パーソナライズインフォテインメントを実現する。また、フロントのバケット シートは、球体全体から派生した純粋なモノスイングシェルのような形状で、包み込むような安全性と安心感をもたらす。
安全支援システムではレベル3の自律走行支援システムへの対応を準備。さらに、暑い季節に幼い子供が誤って車内に置き去りにされるリスクを軽減する「チャイルド・プレゼンス・ディテクション(CPD)」も搭載する。
次世代コンパクトクラスの最初の1台となる「メルセデス・ベンツCLAクラス」は、量産化に向けてまだまだ発展・進化の要素が多くありそうだ。